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よしながふみ
「決定的だったのは、あのシーン(笑)」



プロフィール
よしなが・ふみ●(自画像)71年生まれ。代表作「こどもの体温」「月とサンダル」。「撮影現場を見て、役者さんたちのカッコよさにやられました」
最新刊はコレ!
西洋骨董洋菓子店(4)
新書館
530円(発売中)
 少年行方不明事件が続発、2人が遺体で発見。遺留品から「アンティーク」につながるものが見つかり…。事件解決に橘が動く! 感動の完結編

 巧み。通読した直後、強く残った印象を表せば、そのひと言に集約される。よしながふみの最新作「西洋骨董洋菓子店」。連載中に「フジ系の月9枠」でドラマ化もされた佳作は、最後まで作者の用意した世界に迷い込み、その中で踊らされる心地よさを残し、完結した。

 「ラストへの流れと作品の長さは2巻の途中まで描いたあたりで決めていました。あとは逆算して、次はこのエピソード、その次は……と。それで何とか収めることができました」

 主な登場人物は4人。ヒゲのオーナー・橘、魔性のゲイにして天才パティシエの小野、橘を若と慕う千影、元ボクサーの見習いエイジ。魅力的な男たちだが、およそケーキ店とは似合わない。その上、4人はそれぞれに心の傷や昇華できない過去を抱え、悩んでいる。

 「描きたかったのは、幼いときに何かがあった人が、その後、どうしたら立ち直っていくのかだったんです。だから、ホントはもうちょっと暗いというか、シリアスな話が続いていくはずでした」

 ところが、作品のタッチはコミカル。特に秀逸なのは、2巻の冒頭だ。小野が千影の手を取り、雨の中、クルクルと回る。30を超えた男がふたり、住宅街で踊るのだ。

 「まさしくあのシーンでコメディ決定(笑)。ここまでコミカルな作品は初めてですけど、笑いはホントにいいですね。考える余地を与えずに漫画を読ませちゃう力がある。これは発見でした」

 たとえば、2巻では橘の悩ましい過去。少年時代に誘拐された事実が明らかになる。当然、読者は「この先どうなる?」と思うのだが、3巻ではいきなり巨乳の女子アナが登場。笑いが前面に押し出された展開に舞い戻る。

 「とにかくテーマが重いので、逆に軽く描いた方が、読んでいるときの驚きと、読みやすさにつながるんじゃないかなと思ったんですね。だから、橘も過去に悩む健気な人には見えないようにしようと。見た目おっさんでヒゲをはやしてて、女好きでって、あえて女の子の読者が好きじゃないパーツでそろえてみたんです。しかも、そんな男がケーキが好きだった誘拐犯との接点を残すため、不似合いなケーキ店を始めているという」

 だが、物語は終末に近づくほど、引き締まり、ある一点に収束していく。その過程で、現在と過去のエピソードを交差させ、登場人物像を描き出す手法は、良質なサスペンス映画のようだった。

 「たぶん、映画に似ているのは最初から最後まで考えて話を描いているからだと思います。それに、エンタテインメントには、ある程度の驚きが必要で、それが物語の順序を入れ換えるだけで生まれてくるんなら、駆使しちゃおうと」

 希代のストーリーテラーはインタビュー中こうも言っていた。

 「これまで短編や中編が多かったのは、単行本一冊のページ数があれば人間の一生は入っちゃうから」

 その言葉からは淡々とした自信が伝わった。高い構成力に加え、笑いの力も手に入れたよしながふみの次回作が今から待ち遠しい。

取材・文=佐口賢作

 

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