議論の部屋
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タイトルあえて苦言を呈す
投稿日: 2004/02/06(Fri) 18:05
投稿者青年ではないが

原子力学会誌に紹介されて以来、たまに目を通していたが、今回思い切って投稿することにした。原子力界の明日を担う諸君の意見ということで期待を寄せてみていたのだが、どうしても言いたいことがある。
まず、技術的な話題がとても少ないことは大変残念である。
たかだ じゅん氏が発端となったもんじゅに対する議論は、JNCの関係者からの適切な回答もありとてもよいものであった。もう少し続けてもよいのではないだろうか。もんじゅは我々の生命線として是非とも維持、発展していかねばならない。そのための努力を若手の諸君に期待するところである。諸君たちの今後の活動のためにも必要不可欠であることを肝に銘じなければいけない。
核燃料サイクルの是非、プルサーマルの推進などに関する意見のなかにあろうことか否定的な見解が述べられていることは驚愕に値する。このような意見が内部から発信されることは、世間に対して負の影響力を与えてしまう要因となろう。その意味で、原子力eyeの勇気ある賢明な決断は賞賛に値する。今後のためにも過去の議論の記録は抹消することを要望する。
また、一般の方からのもんじゅの意義に対する質問として、高レベル廃棄物及びその処分に対する貢献に対する見解が問われているにも
関わらず、まともな回答が述べられていないこともやはり指摘しておかねばならない。これなぞ、原子力委員会での「核燃料サイクルのあり方を考える検討会」にある「核燃料サイクルについて」を熟読し、適切に答えることが国民の支持を勝ち得る絶好の機会となろう。よもや、若手の諸君がこの資料の存在を知らぬことはないはずであろう。
将来のためにも知識の吸収を止めてはならない。
最後にリスクコミュニケーションについて、いささか品位に欠ける問いかけがあったが、その中には自身が行っている原子力に対して、
十分な配慮と強い意志を感じる投稿があったことには好感をもてるのだが、問いかけを出した人物の見解および品位の欠片も感じないさらなる問いに対して、深い疑念を感じざるをえない。この人物が、関係者でないことを切に願うものである。そもそも、専門家以外の国民にとって甚だ理解しがたいリスクなる概念について、十分な知識を付与し、いたずらに不合理な判断がまかり通らぬようにすることこそリスクコミュニケーションなる活動の真意であることを疑う余地はない。その意味では、扇情的なマスコミやおかしな判断を公にする者にこそ
必要な教育である。国民の多くはリスクに対する行動に合理的とは思えないことを平気でしてしまっている。リスクの高低から判断すれば、判断に苦しむような不可解な行動は限りない。小生にリスクの意味するところを明確にしてくれた「科学技術のリスク」H・W ルイス著には痛快さを覚えるものである。これから、リスクに関する事柄に
携わる若手諸君に一読を勧める。
これを読めば、科学技術のあり方に対する見解は自ずと明らかになる。昨今、好ましからざる風潮として大衆による技術評価、採択を実施すべしとの声を耳にするが、科学技術は科学技術がなんたるかを理解する者がそうでない者のために判断を示し、導くことが科学技術立国たる我が国の発展に欠かせないものである。科学技術の選択は、将来世代に対する思いやりと長期的視野をもって、適切に判断せねばならない。
多くの方に真摯な分析と胸襟を開いた対話を約束した新しい原子力政策決定への提言の意味するところを正しく理解し、賢明なる若手の代表として、自身の今後の研究活動に対する意気込みを込めて回答してもらいたい。
思いの丈を述べたゆえ、不愉快に感じる記述もあろうかとは思うが、何かの手助けになれば幸いである。気概を持たれることは大いに結構なことであるが、道を踏み外さぬように注意していただきたい。
若手諸君は、我々やその先輩たちが築いた礎に堅牢なる城郭を構築していただきたい。


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