2004年3月26日 掲載
 
4試合連続打点で締め 松井、絶好調で日本へ
 

フィリーズ戦終了後、日本に向け球場を後にするヤンキース・松井秀喜選手=25日、クリアウオーター(共同)
 【ニューヨーク支局25日道上宗雅】(3月26日夕刊)ヤンキースの松井秀喜選手は二十五日、帰国前のオープン戦に臨んだ。日本での開幕戦を控えた松井は、同日のフィリーズ戦第1打席で左翼フェンス直撃の2点適時二塁打を放ち、3試合にまたがり4打数連続安打と絶好調。「いい状態で日本にいけると思う。楽しみです」と語り、試合後、日本航空のチャーター機で日本へと飛び立った。

 この日はほとんどの主力が欠場したため、松井は5番左翼で先発。二死から走者を二人置いて入った第1打席は、相変わらずの勝負強さで左翼手の頭上を越える大きな二塁打を放ち、4試合連続の打点を挙げた。

 ここ4試合は10打数7安打2本塁打8打点と大爆発。「練習でやっているようなスイングがゲームでもできるようになってきた結果」と自信をのぞかせた。

 チャーター機での帰国は、ビジネスクラス2席を使っての十七時間余りのフライトとなる。「基本的には睡眠をとる。でも、着いてから寝られなくなると困るので、しっかり計算しないと」と体調管理も徹底。「あとは本を読んだり、スチュワーデスを口説くぐらいかな」と冗談も口にした。

 試合後の会見で着ていたのは「オープニングシリーズ・タンパから東京へ」と書かれた日本開幕戦のTシャツ。「チームの案内人だから、その仕事をしなくちゃ」との言葉には、観光案内ではなく「勝利への案内人」としての自負が込められていた。

 松井は米国時間午後五時ごろにタンパ国際空港を出発。シカゴ経由で日本時間二十七日午前零時過ぎに羽田空港に到着する予定。





 ●「最強の6番」凱旋へ 打率3割、チーム2冠王

  

【ニューヨーク支局25日道上宗雅】(3月26日朝刊)ヤンキースの松井秀喜選手は東京ドームで行われる開幕戦に、6番打者として臨むことになりそうだ。大リーグ史上最強とも言われるヤ軍打線の中で、松井のオープン戦成績はチーム二冠王。打率もついに3割に乗せ、打点16は両リーグ最多タイだ。最強の6番打者が、最高の状態で帰国する。



 二十四日に行われた宿敵レッドソックスとのオープン戦は、3試合連続本塁打こそならなかったものの、今の好調ぶりが際立った。昨年12打数2安打と抑え込まれたウエークフィールドの揺れて落ちるナックルボールを完全にとらえた。唯一の対策だという「ひきつけて打つ」ことができたからだ。

 そんな松井を、トーリ監督は「6番か7番」で起用するという。昨季まで長く4番に座ってきたウィリアムズが病気で開幕に間に合わないため、しばらくは6番、復帰すれば7番という算段だ。

 しかし、トーリ監督が松井にかける期待は、間違いなくクリーンアップ級だ。「勝つためにどうしても必要。大事な時にチームを勝利に導く仕事ができる男なんだ、松井は」。巨人時代でも、なかったほどの順調な仕上がり具合で、間もなく二年目の進化したゴジラが日本のファンの前に登場する。





 
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