2003年3月3日 掲載
 
技ありの内野安打 第1打席に左腕から
 
 【タンパ(米フロリダ州)2日道上宗雅本社記者】米大リーグ、ヤンキースの松井秀喜選手は二日、タンパのレジェンズ・フィールドで行われたデビルレイズとのオープン戦に「5番・左翼」で先発出場し、第1打席で二塁内野安打を記録した。この日は3打数1安打だった。

 松井選手は二回一死走者なしで迎えた第1打席で、左腕ジム・パルケから二塁への内野安打。四回二死走者なしの第2打席では投ゴロ、先頭で入った六回の第3打席は一ゴロに倒れ、七回表の守備から退いた。

 試合はヤンキースが5―4でサヨナラ勝ちした。松井選手は三日のブルージェイズ戦(レジェンズ・フィールド)にも先発で出場する予定。



●激走、俊足アピール ストライクゾーンも確認 

【タンパ(米フロリダ州)2日道上宗雅本社記者】松井秀喜選手が放ったセンターへ抜けそうな当たりが、デビルレイズのマーロン・アンダーソン二塁手のグラブに収まる。一塁へ送球しようとした時、松井選手はすでにベース寸前まで到達していた。本来の豪快な打球ではなかったが、松井選手は公式戦でも戦うことになる同じア・リーグ東地区のデビルレイズに”意外”な俊足をアピールした。

 巨人時代も盗塁こそ入団三年目と五年目の9個が最多の記録だが、百メートルは11秒台と大リーグでも決して遅いほうではない。一塁でリードをとる松井選手に二度、けん制球が投じられたのも、相手が走力を警戒したことの表れだろう。二塁へ進んだ松井選手はロビン・ベンチュラ三塁手のセンター前ヒットで迷わず三塁をけり、スライディングでホームイン。各塁間をすべて全力疾走で駆け抜けた。

 第2打席はスティーブ・パリスの外角球を引っ掛けて投ゴロ、この試合最後の打席となった第3打席は内角のボールに差し込まれて一ゴロと結果は出せなかった。しかし、第1打席と第3打席で初球のストライクを自信を持って見送ったことに価値がある。

 いずれも日本ならボール、外角にストライクゾーンが広いとされる大リーグではストライクとなるボールだった。試合後、松井選手は「ストライクとボールは大体自分で分かっているつもり」と、ストライクと分かって見逃したことを明かした。そして、思った通りのストライク。公式戦開幕までには確実に大リーグのストライクゾーンを自分のものにできそうだ。

 
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