2005年09月12日(月)

<サウンド>
 「メルク遺跡」

こんにちは。サウンドのnishiです。

作曲家、岩垂 徳行氏のホームページ上で、
スペシャルコンテンツとして、
メルク遺跡の曲 『 Melk Ruins 』 が、
本日9/12より無料公開されています。

この曲は私 nishi が作ったものなのですが、ユーザーさんからの
反響が予想以上に多く、私自身とても驚いています。
グランディアIIIのサウンドトラックには収録されていませんが、
こういった形でみなさんに聞いて頂け、とても光栄です。

この曲は、メルク遺跡の神秘的な雰囲気を、ミニマルなフレーズと
アジア風な音色で表現しています。

今回、公開にあたり、
岩垂氏に監修、ミックス、マスタリングをお願いしました。
ありがとうございます>岩垂さん

是非、岩垂氏のホームページを訪れて、聞いてみてください。



【かもんえぶりばでぇ - 岩垂徳行わーるど -】


2005年08月03日(水)

<サウンド>
 「that's imagination」

こんにちは、サウンドのnishiです。

グランディアIIIの開発では、
本当にいろんなことがありましたが、
僕にとって一番感慨深いのは、
グランディアIIIのメインテーマソング
In The Sky」です。

他のゲームや映画やドラマでも
よくタイアップとか言われて
アーティストの楽曲を主題歌として
起用したりすることがありますが、

作品と作品のイメージが合ってなかったり
安易なキーワードだけで繋がっているだけのものだったり
単に流行りのアーティストを起用しただけのものだったり、
「なんで、こんな曲を主題歌にしたんだろう」
と、よく不満に思っていたものでした。

そんなある日、

この曲、グランディアIIIの主題歌にどうでしょうか?

スクウェア・エニックスの樋口プロデューサーに
薦められ聞いてみたのが、
Mizさんの「In The Sky」でした。

自分の担当している仕事の中で
主題歌が付くかもしれないというのは
初めての経験だったので
緊張と期待でドキドキしながら
聞かせていただいたのを覚えています。

どこまでも伸びてゆくような
風のようなボーカルだなあ、というのが、
僕のファーストインプレッションでした。

しかし、巷の作品によくあるような、
宣伝だけのために
主題歌を取って付けたようなものは、
僕の仕事ではやりたくなかった。
そこで、
どうやってゲームと融合させようか、
どうやってゲームを
変化させて行こうか、
監督と一緒に考えはじめました。

そのとき、並行して
ある重要なシーンの音響演出作業を
進めていたのですが、
どういう音楽/音響演出をかければいいのか
悩んでいた最中でした。

ふと、少し前に聞いていた「In The Sky」が
そこにパーンと浮かんだんです。

僕はよく「天使が降りる」という言葉を使いますが、
すごくいいアレンジとか
綺麗なメロディとか
かっこいい音響演出とかが
突然、浮かんでくることがあるんです。

In The Sky」がまさにそれでした。
試しにそのシーンに曲を入れてみたら、

決して大げさではなく

そのシーンが急に生き生きとして
どこかに飛んで行くような
そんな強い力を感じました。

その時は明け方だったのですが、
すぐ音楽の編集、音声の編集をして、
映像の仮編集をして、
サンプルビデオを作って
次の日、監督に見せてみました。

なんと一発で、

これで行こう!」と

監督からOKが出てしまいました。

そのビデオテープは、
瞬く間に駆け抜けていき、
監督をはじめとする社内スタッフ、プロデューサー
スクウェア・エニックスの樋口プロデューサー
宣伝部プロデューサーのOKを頂き、
さらにアーティストのOKを取るために、
遠くスウェーデンの地まで飛んで旅することになりました。

こうして生まれたのが
主題歌「In The Sky」と「グランディア III」との
Amazingなコラボレーションです。



In The Sky (初回限定盤) / Miz

2005.08.03 RELEASE
12cmシングル+DVD / VIZL-144
\1,470(税込) / \1,400(税抜)
スクウェア・エニックス社ゲームソフト「グランディアIII」
メインテーマソング

 01. In The Sky
 02. What Difference
 03. In The Sky - Remix
 04. In The Sky (MUSIC TRACK)

【初回盤DVD】
「In The Sky」 プロモーションビデオ収録



2005年07月22日(金)

<サウンド>
 「イングマール LIVE」

どうもnishiデス。
今日は先日の続きデス。

グランディアIII、作曲の岩垂 徳行氏と
川澄かおりさんのユニット「Ingmar(イングマール)」
のライブのお知らせが届きました。
グランディアの曲も演奏するそうですよ。

お二人のホームページはこちら↓





☆『GRANDIA III GAMEARTS SITE』をご覧のみなさま☆

こんにちは、川澄かおりです(^○^)
この夏、晩夏 8月28日(日) に大変お待たせの
☆IngmarLIVE イングマールライブ☆
を開催することになりました♪

東京の暑い暑〜い昼下がり、
爽やかな音楽サロンで、
やっぱり熱〜い(>_<)!ライブを
楽しみにいらっしゃいませんか!!?
是非いらしてください(._.)

今回は、ライブ活動小休止前に予告しましたように、
Ingmarイングマールの新作の為に
創作しつつある新曲を交えて、
これまでの作品も盛りだくさんにお届けしてゆく予定です。
過去のライブでのいろいろな反省を活かしての、
優雅なソロライブです(^_−)

ライブ会場になる音楽サロンは、
落ち着いて空間ごと味わっていただきたいロケーションですので、
完全予約制にさせて頂く予定でもあります。
どうぞ8月最後の週末は、Ingmarライブの為に
お時間とっておいてくださいね。

IngmarLIVE イングマールライブ
日時:8月28日(日) 午後1時半開場 午後2時開演
場所ソフィアザール
出演:川澄かおり、岩垂徳行
料金:2500円
定員:45名
 (座席数が限られていますので今回は完全予約制とさせて頂きます)
予約方法:こちらにメールしてください。kaocha-n@mx5.ttcn.ne.jp

JR(山手線)駒込駅 東口下車徒歩4分
地下鉄南北線 駒込駅下車 徒歩6分
(山手線駒込駅東口改札より約300メートル)
東口改札口を右に出て、
山手線の内側に沿って左折
100メートルほどで谷田橋通りの信号を渡り
(左手にJRのガード)
3つ目の角のさわやか整骨院(第1ビル)を右折
100メートルほど先の四つ角
左側のベージュ色の建物(八木電気店前)がソフィアザールです。

2005年07月20日(水)

<サウンド>
 「SQUARE ENIX PARTY 2005」

こんにちは、サウンドのnishiです。
ご無沙汰してます。1ヶ月ってアッという間ですね。
エピソード3とか、夏本番お腹引き締めダイエットとか、
純愛ブログとかで、なんだか忙しかったです…。

梅雨も明けていよいよ、
「 グ ラ ン デ ィ ア の 夏 」がやってまいりました。
発売日まであと少しですね〜。
来週には「SQUARE ENIX PARTY 2005」も開催されます!
詳しくは上記リンクのページを見てみて下さい。

当日は僕も観に行きますので、探してみてくださいね。
コンパニオンのおねえちゃんの写真を撮っているかも(笑)

30日(土)には「History of GRANDIA LIVE」があります。
主演の松風 雅也さん(ユウキ役)、木南 晴夏さん(アルフィナ役)、
ゲーム中楽曲の作曲の岩垂 徳行氏と彼のバンド、
そしてテーマソングを歌うアーティスト、Mizさんも出演します。

…オレMizさんのファンなんだよなぁ…サインもらえないかなぁ…

ところで!

なんと!

岩垂ライブではあの伝説の名曲「COMBAT4」を演奏します!
ライブの詳細、曲名など詳しくはこちらをご覧下さい。

(ITmedia : 「グランディアIII」のステージイベントはライブで盛り上がろう

さて、

グランディアIIや、岩垂 徳行氏とのコンビでも
お馴染みのアーティスト、川澄 かおりさん、
今回のグランディアIIIでも、
ある重要なシーンの歌と作詞を担当してくれています。
※「SQUARE ENIX PARTY 2005」の LIVE にも出演しますよ。

2005年06月22日(水)

<サウンド>
 「キャストとボイスについて」

ひゃっほー。SDのnishiです。
キャストがようやく、

ようやく!

公式サイトで発表になりましたね。
今日はその、キャストとボイス(音声)についてです。

通常、ゲームやアニメでは
映像がある程度出来上がってから
映像に声をあてる
「アフレコ」という
作業を行います。

映像を見ながら (しかも短期間で)
キャラクターのイメージを声にするという
職人的な仕事をこなすのが
声優さんの役割です。


実は今回、グランディアIIIでは
これとは全く逆の方式を採用しています。

グランディアIIIのコンセプトのうちの一つ、
「骨太な人間ドラマの構築」
これを実現するために、具体的に何をすればいいのか?

その答えとして今回採用したのが、
「役者の演技を元にCGを組み立てる」
という手法でした。

きちんとした演技の出来る俳優をキャスティングし
実写の映画監督を起用し
役者の演技を固めてから
ボイス(音声)を収録し
その音声を元に、
コンテ作成、CG作成を行うという制作スタイルです。

(かなりかいつまんで書いてますが、実際はもっと複雑です)

そして音声収録。


今をさかのぼること、約1〜2年くらい前。。。


東京の隅田川沿いにある東京テレビセンター浜町スタジオ。
ここでグランディアIIIの収録はスタートしました。

スタジオに入るやいなや、
金田監督がマイクを片づけろ、との指示。

…!?
カントク!一体何を…!?

何のことだかさっぱり分からないまま、
マイクスタンドが片づけられると
何とカントクはスタジオを
収録するシーンの”舞台”として
役者に演技指導を始めたのです。。。

スタジオの入り口から(本当に!)走って入ってきて
役者同士が全身を使って演技をしています。
飛んだり跳ねたり倒れたり、
小道具の剣(おもちゃ)を振り回したり。

そうして、演技内容が固まるとようやく
マイクを再度セッティングし直して
そのテンション、演技を持続させながら、
音声を収録するのです。
これを各シーン繰り返し繰り返しやりました。

しかも今回、シーン数は膨大で
かなりのボリュームがあります。
収録日程も決して余裕のあるものではなく
俳優、監督、スタッフ全員が
毎日早朝から深夜まで
一丸となって取り組んでいました。

それもこれも
本当の意味での生きた演技、を
収録するためです。

そういえば、
空を飛ぶ、子どもの声を録音するために
助監督さんが肩車をして、
長いブームマイクで子どもの声を
収録したりもしました。
(本当の小学生くらいの年の、子役俳優を起用しています)

   ちなみに少し脱線しますが、
   この助監督、安達さんという方なのですが
   今年春に公開され話題になった映画「ZOO」の
   監督もされています。

こうして、苦労して収録した役者の演技と音声を元に
今回のドラマシーンが構築され始めました。

CG制作チームでは
この音声を3Dソフトに読み込んで
キャラクターモデルやモーションの
制作を行っているんです。
また、収録の時にビデオも録画しておいて、
役者の演技、動き、表情なども
このビデオを参考に
CG制作チームが一つ一つ作り上げていきました。
モーションキャプチャなどは使わず
CGデザイナーの手で一つ一つ作られたものです。


個人的には、
特にミランダとエメリウス、
萩野 崇さんと若村 麻由美さんにそっくり! だと思いませんか?
きっと俳優としての演技のパワーがすごく強かったので
CG制作チームにも伝染したんだと思います。
顔や表情の雰囲気、、、
仕草なども、なんかどことなく似ています。

   エメリウスに至っては…
   ちゃーんと、首回してますから!

これから発売までの間に、
いろいろ映像も公開になっていくと思います。
是非見比べてみて下さい。



というわけで、
今回発表されたキャストは
実はもう1〜2年ほど前に決定していたんです。
スタッフ一同、キャストの発表はまだかまだかと
ずーっと待っていました。

ようやく、
グランディアIIIの面白さの中心が紹介できたような
そんな気がしています。


今日の一曲♪:『In The Sky』 / Miz

今回、キャストと同時にテーマソングも発表になりました。
Miz さんの 『In The Sky』 です。
果てしない空へどこまでも挑んでいけるような、
力強いパワーを持った曲です。



2005年06月17日(金)

<サウンド>
 「Theme of GRANDIA III」

どうも、サウンドnishiです。

クリックすると大きな写真を見ることが出来ます
この写真は、レコーディングの時の様子です。
(クリックすると大きな写真を見ることが出来ます)

テーマ曲の弦パートをレコーディング中です。
一番手前、コンソールの前にいるのが作曲家の岩垂さん。
真剣です。

スタジオの中は、
バイオリンの小池ストリングスの皆さん。
神がかりなすっばらしい演奏を見せてくれました。


他にもいくつか紹介〜♪

クリックすると大きな写真を見ることが出来ます
譜面はミュージシャンの人数分用意しますので
枚数も多く、準備だけで大変です。


クリックすると大きな写真を見ることが出来ます
写真左はレコーディングエンジニアの小林さん。
初代グランディアから今作まで全てのレコーディングに携わってくれています。
とても息の合った二人です。


クリックすると大きな写真を見ることが出来ます
ソロバイオリンの土屋さん。

…実は今回のグランディアIII、
バイオリンが非常に重要な役割を果たしています。
(ヒントは、まだ公開されていないキャラクター … )


ところで、

グランディアのテーマといえば、
今、「グランディアIII」のテレビCMで流れている
おなじみのあの曲ですが、
今までのグランディアには作品ごとに
テーマ曲、もしくはメイン楽曲がそれぞれ存在します。

初代グランディアはもちろん
「グランディアのテーマ」

グランディアIIは、テーマ曲ではありませんが
「A Deus(神の唄)」や、
「Cancao do povo(人の唄)」
が作品の中心となっていました。

グランディア・エクストリームは「Theme of XTREME」
オープニングで流れていましたね。

そして、グランディアIIIは

「Theme of GRANDIA III」

公式サイトで5曲聞くことができる内の1曲目です。

作品を代表するような1曲。
空をテーマにした1曲。
作った岩垂さんにとっても
いろいろな想いがあったと思います。

制作の時は
曲が出来上がると
僕や監督に聞かせてもらい
何度も何度もNGを出し、
やり直しをしてもらいました。

そしてあるとき
もう締め切りギリギリで
ここで上がらないと色々マズイという状況の中、

1曲送られてきました。

まだ、ピアノで弾いているだけの、
シンプルなアレンジのテーマ曲。


「これだ!」


直感ですが
これがテーマだという、
強い確信が、なぜかありました。

こうして出来上がったのが、

「Theme of GRANDIA III」

僕にとって、
非常に思い入れのある曲です。


今日の一曲♪:
「グランディアのテーマ」

「グランディア-オリジナルサウンドトラックス-」 より

初代グランディアのテーマ曲が収録されているサウンドトラックです。


2005年06月14日(火)

<サウンド>
 「岩垂サウンド♪初体験」

こんにちは。
今回、サウンドディレクターを担当しました
nishiと申します。

先週よりTV-CMも始まり
いよいよ発売まであと2ヶ月を切った「グランディアIII」!
公式ページ上でもゾクゾクと岩垂サウンドが公開されています。

(ウィンドウ下のBGMというスイッチで曲が切り替えられますよ!)

僕の方からはそんな岩垂サウンドのヒミツについて
いろいろ書いてみようと思います。
よろしくお願いします。

僕と岩垂さんのお付き合いは
今からさかのぼること10年近く前。

MEGA-CD最後のRPG(!)と言われた
「Lunar - Eternal Blue -」
でのお仕事が最初になります。

当時僕は
ゲーム業界に入ったばかりで
音楽を作ることしか考えていませんでしたが
映像に音楽を当てはめる、
ということの面白さに
目覚めたのが、まさにこの仕事でした。

ラストのシーン、
クリスタルの中のルーシアのカット
曲のイントロの出だしのタイミングが
なかなか決まらず、
ほんのちょっと、曲のスタートをずらしたら、

なんと!

映像と音楽が急にバン!とはまったんですね。
いきなり感動的な場面に仕上がってしまったことに
すごい快感!、を覚えました。

それ以来ですね
岩垂サウンドの虜となってしまったのが。

グランディア1、2、Xtreme、3と、
素晴らしい岩垂サウンドを沢山聞いてきました。

岩垂サウンドは
単体で聞いてもいい曲なのですが
映像、ゲームやムービーと合わせて聞くと
その良さは何倍にもなります。

岩垂さんが以前におっしゃってました。
「僕の曲は(戦闘とかで)途中に効果音とか入ると、
 全体でちょうど良いように聞こえるように作られてる」、と。

グランディアの戦闘は、
キャラクターがとにかくよくしゃべり、
効果音もたくさん鳴ることが
ゲームのコンセプトになっていますが、
まさにこのシステムに合った
素晴らしい楽曲を
いつも作ってくれます。

それだけに
効果音と音声と、音楽とのバランスには
僕はいつも気を遣います。
完成前にわざわざ岩垂さんに
開発部まで来てもらって
チェックをしてもらうこともあります。

ゲームの完成まで
しっかりと付き合ってくれる作曲家も
なかなか珍しいと思いますが、
こういうところが岩垂さんの
音楽に対するこだわり、なのではないでしょうか。

そんな岩垂さんですが
今回「グランディアIII」で
大変な、生みの苦しみを経験することになります。
この続きはまた今度〜♪

今日の一曲♪:

「ETERNAL BLUE 〜永遠の想い〜」
(作曲:岩垂 徳行/歌:横山 智佐)

「ルナ〜Eternal Blue〜」 より