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2007年07月13日

正義のGoogleボット君、ワンクリック詐欺をあばく

 「ワンクリック詐欺」をご存じだろうか。「ワンクリック契約」や「ワンクリック料金請求」とも呼ばれている。この詐欺を正義のGoogleボットが暴いているのだ。いやGoogleボットにしてみると正義とか何にも考えもせず自然な活動であばいているのだろう。

 ワンクリック詐欺は、アダルトサイトや出会い系サイトに多いのだが、興味本位で「ここからムフフな画像が閲覧できる」とか書いてあるリンクをクリック(ワンクリック)したら、突然、次のページで「ご入会ありがとうございました。以下の口座にお振り込みください」といった画面が表示され、騙されてその指示に従って振り込みをしてしまうことだ。一種の振り込め詐欺に近い。警視庁も「ワンクリック料金請求にご用心」で注意を呼びかけている。
 
 しかし、そんなトリックに簡単にひっかかるわけないでしょうと思うかもしれないが、この振り込め画面には、「あなたのリモートホストはxxxx.jp、あなたのプロバイダーはxxxx, あなたのOSはxxxx」といった情報が掲載されていることが多く、これで閲覧者個人が特定されてしまったと騙されてしまう人もいるのだ。結論からいうと、閲覧しただけで個人情報が特定されることはない(ただし、会社からのアクセスだと会社が特定されることはある)。

 この悪質なワンクリック詐欺なのだが、Googleボットは、まったく気楽にほいほいとワンクリックしてこの脅し画面を検索収録しているのだ。ところでGoogleボットって何?だが、Googleボットとは、検索情報収集のために自動的に多数のWebサイトを自動的に閲覧・巡回しているロボットのことだ。Googleロボットが省略されてGoogleボットと呼ばれる。ロボットといっても、鉄腕アトムや鉄人28号(例が古すぎ)みたいなものではなく、ただの巡回プログラムにすぎない。

 このGoogleボットなのだが、閲覧者としては、googlebot.comという足跡を残す。そこで、「googlebot.com 口座」という2つのキーワードでGoogleを検索すると、なんとずらっと「ワンクリック詐欺」のサイトが出てくるのだ。まるで、Googleボット君がおとり捜査してワンクリック詐欺をあばいているみたいだ。

 ところで、このコラムでは、「googlebot.com 口座」の検索のリンクをあえて掲載しない。検索結果をクリックすると、もろに「ワンクリック詐欺」の画面が出てくるからだ。こんなのどってことないと説明しても、それでも不安に思ってしまう人がいるかもしれないからだ。

 でももし、振り込め詐欺ページをちょっとでも覗いてみたかったら、「googlebot.com 口座」で検索して、通常の検索結果のリンクではなく、キャッシュのほうをクリックしてみるといいだろう。そこにGoogleボット君がアダルトサイトを閲覧した痕跡を見ることもできる。

ggl0711b.jpg

 でもGoogleボット君はそんなこと気にもしていないようだ。

投稿者 NobumasaSatou : 2007年07月13日 15:35

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