ゲームシナリオ作家 野島一成

1.DSというハードで

本作は、RPGの『ヘラクレスの栄光』※1シリーズの14年ぶりの新作になります。かつて僕は、データイースト※2というゲーム会社にいて、このシリーズのシナリオを書いていました。でも、前作が出てから十数年も経ってますから、『ヘラクレス』については自分の中でも、遠い存在になっていたんです。それが3年前、データイースト時代の元上司から電話がかかってきて、「ヘラクレス出せることになったんだけどやらないか」って。青天の霹靂ですよね。本音でいうと、若い頃に作ったものなので今見るとなんだか恥ずかしいなという気持ちがある。その一方で、新作が作られるとするならどんなふうになるのかなってすごい興味もあって、“やりたくないな” “やったほうがいいな” “やらないと”みたいに気持ちが揺れたんです。だけど、実際には「やります」ってほぼ即答でした(笑)。「僕がやらなかったら、誰がやるんだろう」という気持ちですね。
最初は、監修をするという話で、既に企画案や世界はほとんどできていたんです。それに対してああだこうだ、口を出すところから始まって、結局、シナリオまで書かせていただくことになりました。
*1.
『ヘラクレスの栄光』:データイーストから発売されたRPGシリーズで、1987年の第1作『闘人魔境伝 ヘラクレスの栄光』から1994年発売の第4作『ヘラクレスの栄光IV 神々からの贈り物』までリリースされている。
*2.
データイースト:ゲームソフト制作会社。アーケード、コンシューマ向けに数多くのゲームを世に送り出す。
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