ヒストリー・オブ・ゾイド 開戦編


10.接触 ZAC2029年
不時着した宇宙船は、ゾイド星とは太陽を挟んで正反対に位置する銀河系の惑星「地球」からきた「グローバリーV号(科学者、民間人を乗せた地球人の宇宙船。この乗客の中に宇宙開発で一攫千金を狙う一派…ランドバリーが中心人物…がおり、艦長派との間で内乱を起し、その戦火によってグローバリーV号は火を吹き不時着に至った)」で、艦内で発生した内乱で墜落したことをヘリック大統領に報告したのは、最初に彼らと接触したブラントン偵察隊長であった。そして、捕らえられた地球人の中に優れた科学者で武器開発のエキスパートであるクローネンブルク博士の存在をつきとめた。
大統領は早速博士を官邸に招いた。クローネンブルク博士がグローバリーVに乗船したのは、単純に学者としての興味からであった。不幸にして内乱が起き、不時着した未知の惑星が戦時下にあり、いまその一方の大統領に会見しようとは……博士は何か運命的なものを感じた。

クローネンブルク博士がこの星で驚いたことは、地球では何千万年も昔に滅亡した恐竜のフォルムをしたメカ生体が活躍していることと、その武器の粗末さであった。
「大統領閣下」
博士は云った。
「我々地球人は宇宙開発のために様々な形で科学技術を進歩させました。武器も例外ではありません。いま、お手元にあるレーザー銃もほんの一例です。お望みとあらば、レーザー銃もビーム砲も製造いたしましょう。私達は、レーザー砲にかかせないルビーがこの星に存在していることはすでに調査済みです」



地球人の一博士の一言は、ゾイド星の戦いをかえた。ヘリック大統領は博士の意見をとりいれて首都の北東に巨大な軍需工場地帯をつくった。それは、星人の中から選出された優秀な研究員や技術者で構成された組織的なもので、工場の研究、開発、そして生産は時を待たず軌道に乗った。一方、ゼネバス帝国に捕らえられた地球人ランドバリーも、ゼネバス皇帝に対して悪魔の囁きをしていた。





11.再会
共和国軍がクローネンブルグ博士たちの力をかりて戦闘機械獣の改造をすすめていた時、ゼネバスもランドバリーの助言に従って密かにメカの改造を急いでいた。ある日、ゼネバスはミサイルという武器のテストをするために砂漠へ赴いた。そこは、かつての戦いの残骸がさらされ、絶好の試射場になっていた。地球人のつくったミサイルとはどんな武器なのか、ゼネバスはその時を待った。地球人の指導者ランドバリーは、レッドホーンに装着したミサイルに発射の合図を送った。目標ははるか2kmかなたの共和国メカの残骸である。白煙をのこして発射されたミサイルは一瞬にして正確に標的をとらえ、完璧に破壊した。

「スバラシイ」

ゼネバスは思わず心の中で呟いた。共和国軍の敗走する姿さえ目に浮かんだ。その時である。逆の方向から、ピカッと光が感じられたと思った瞬間、ミサイルを発射したレッドホーンのコクピットが吹き飛んだ。ゼネバスは光の方向に双眼鏡を向けた。そこには、同じように双眼鏡でこちらを見ている兄ヘリックの姿があった。ヘリックは、地球人のつくったレーザー砲の試射を見るために、ここ砂漠の戦場にきていたのである。

はからずも弟ゼネバスのミサイルを目にすることになったが、それ以上に弟の姿を別れて以来はじめて双眼鏡にとらえ、懐かしさがこみあげてきた。しかし、10年ぶりに見る弟の目は憎しみに燃えていた。そして、共和国同様、帝国も地球人の指導によって、武装の強化を進めていることを知り、事態はいっそう悪化していることを認めざるをえなかった。兄弟の再会は新たなる戦いのはじまりであった。




12.参謀
ゼネバスは焦っていた。せっかく完成したミサイルという新型の地球武器も、それを上回る共和国軍のメカによって色あせてしまった。兄ヘリックはさぞかし自分を笑っていることだろう。そう考えるだけで、無性に腹が立ってくる。そこへ、共和国の部隊がレッドリバーを越えて移動中という情報が飛び込んできた。ゼネバスは、これぞ千載一隅のチャンスとばかりに、全軍を移動し、グランドバロス山脈の南端に待ち伏せの陣を敷いた。

「さあ来いヘリック、帝国軍の威信をかけて、全軍でお前の軍を叩き潰してやろう…」

ゼネバスは焦る気持ちから冷静な判断力を失っていた。
帝国軍が迎撃の陣を敷いていた頃、共和国軍は中央山脈を越え、最新装備のPBOZ−003「ゾイドゴジュラス」を先頭に、雪崩をうつように帝国の首都を目指していた。レッドリバーにまわっているはずの共和国の大軍が砂漠を横切り、一気に首都に迫ってきた。主力部隊が欠けている首都防衛軍はあっというまに蹴散らされてしまった。ゼネバス皇帝に、緊急通信がうたれたのはもちろんである。ゼネバスの首都は険しい山城である。切り立った岩や崖が自然の城壁となって、共和国軍の激しい波状攻撃をくいとめてくれる。地上からの攻撃でも、空からの攻撃でやすやすと落とされることはない。ゼネバスは、首都からの電信で初めて、レッドリバーの敵は囮であり、ヘリックにまんまとはめられたことを知った。首都は激しい砲撃を受け、城壁は崩れ、城も大きなダメージを受けたが、主力部隊の戻るまでは耐えた。共和国軍は、帝国軍が戻るや否や深入りせずに軍を引いた。
ヘリック大統領は、地球人の進言によって、作戦参謀としてブラッドリーを迎えていた。
おとり作戦をすすめたのは将軍であった。

「大統領閣下、これは陽動作戦といいまして、敵の裏をかくのに効果があります」

将軍の作戦は、見事に成功した。ヘリックは、将軍の作戦能力を高く評価し、将軍にアドバイスを求め、軍の編成についても近代化を押し進める決定をした。






13.さらばガンビーノ ZAC2032年
共和国の陽動作戦にまんまとひっかかり、帝国首都は壊滅的な被害を受けた。帝国の星人は皇帝以上に焦りと不安を抱きはじめていた。軍部の一部に不審な動きが出始めたのはそんな時だった。ゼネバスは苦しい財政のなかから、復讐の炎を燃やし続ける為に、星人の暮らしを顧みず機械獣改造の為の秘密工場をつくるなど、資金を湯水の如く注いだ。地球人ランドバリーの口車に乗せられ、大陸征服の意欲はいやがうえにも高まった。とりわけ、憎むべきヘリックは是が非でもこの手で倒さねばならない。ゼネバスの頭の中には、すでに帝国の星人のことは欠片もなかった。

ゼネバスが秘密工場に入り浸りとなり、首都を留守にしていたある日。ガンビーノの部下の中隊がクーデーターを起し、皇帝の館を占拠し立て篭もる事件が起きた。烈火のごとく怒ったゼネバスは急ぎ首都に立ち返り、ガンビーノを討伐隊長に任じ、自ら部下の始末を付けるよう命じた。

ガンビーノは、ゼネバスの命に背くことは出来なかった。しかし、部下達がやむにやまれぬ気持ちから反乱を起したこともわからないではなかった。皇帝の館に入ったガンビーノは、部下を説得し、密かにあらかじめ手筈を整えておいた脱出路から彼らを逃がした。そして、自らは館内で命を断った。

「星人は、戦いに疲れております。皇帝閣下におかせられましては、この無益な戦いをはやくおさめ、兄上との和解の途を開かれ、昔の平和な大陸に戻されんことを、老兵の一命にかえてお願い致します。なお、我が部下の御処置は、私の命にかえて寛大に取りはからいくださいますよう重ねておねがいいたします」

ガンビーノの遺言をゼネバスは破り捨てるや、逃げた反乱兵に賞金をかけ「一人残らず、捕まえてワシの前に連れてこい!」と命じたのだった。ゼネバスの改造熱は部下の反乱とガンビーノの死以来、さらに高まった。星人を狩り出し、工場で強制労働につけさせ、24時間体制で機械獣の強化を急いだのだった。
帝国は暗く、そして狂気の国へと変わっていった。


ガンビーノ将軍
彼の遺児シュテルマーは、ゼネバスの1人娘エレナと共に育てられた。
エレナ姫は後に名前を変え、ヘリック共和国大統領ルイーズ・キャムフォードとなる。


14.危機 ZAC2033年
中央山脈の最高峰ターボット山の頂に銀色をした巨大な皿が帝国の首都に向けて建設された。レーダーであった。共和国軍の電子探査師団は師団超にブラントンを任じ、このレーダーサイト基地の指揮官には、同じ虫族のモーリス少尉があたっていた。少尉はブラントン同様、独特の探査能力を持ち、地球人の開発したレーダーを活用することでその能力は一層みがきがかかった。いつものように任務についていたモーリスは、レーダースクリーンに不思議な影をとらえた。モーリスのそれからの行動はすばやかった。RMZ-12「ガイサック」に飛び乗るや、影に向かって発進していった予感、不吉な予感が働いたのだ。果たして彼の予感は的中していた。砂漠用に迷彩を施したガイサックは、真っ赤な大軍を認めた。


「EPZ−01レッドホーンだ、それも重装備に身を固めた、見たこともない大軍だ」

モーリスの暗号通信は、ヘリックの元に飛んだ。帝国のレッドホーンは、旧式の火器を外し、レーザー砲、ミサイル、ビーム銃など共和国メカと同様の…いやそれ以上の装備をフルに装着しているではないか。

「いつの間にこんな装備を……」

敵の情報に明るいモーリスですら、あまりのショックにしばし呆然としてしまったくらいだった。
ヘリック大統領にとっても驚きであった。ゼネバス帝国の首都攻撃の成功と内乱の勃発、ガンビーノの死、などでゼネバス皇帝は当分立直れまいと踏んでいた大統領の誤算であったといえる。
ヘリックは直ちに共和国議会を召集し、国家緊急法(コードネームX-day)の発令をした。X−dayとは共和国メカを緊急時にパワーアップする特別指令の暗号である。共和国の主力メカ・ゴジュラス、RBOZ-002「ゾイドマンモス」、RBOZ-004「ゴルドス」の装備は最新のレーザー砲につけかえられ、装甲も地球人のアドバイスにより、軽くて、強度の高い超合金に換えられていた。その一方で、設計段階にあった超空のメカ RBOZ-005「サラマンダー」の生産指令も同時に出された。共和国は、いま最大の危機を迎えている。


■EPZ−01 REDHORN
 レッドホーン



<初戦時>
全身は燃えるような赤。いかにもゼネバス皇帝の遺志があらわれているようだ。モーリス中尉が脅威を感じたように、ゼネバスは、あえて目立つ赤で共和国を威嚇することを計算している。それは、改良型レッドホーンの装備に対し自信をもっている証であろう。伝統的な厚い装甲に身を包み、装備も共和国にひけを取らない高性能である。

<夜間戦闘用>
全面をマットブラック(つやの無い黒)で包み、夜間行動中に敵の照明に反射しない工夫がされている。全高が重メカにも関わらず低く設計されているため、標的になりにくく、神出鬼没の活躍をする。装備面では、対空砲を夜間用高レンジレーダーに換装、赤外線ライトを装備し、夜間における射撃の正確さを期している。

<皇帝専用タイプ>
ゼネバスが最前線において作戦行動に使用するレッドホーン。通常タイプにくらべ装甲をさらに強化、装備面では特別な面はないが、コクピットが作戦司令所になっている。ゼネバス皇帝自らが操縦桿を握る。全身をアイボリー仕様にしているタイプと、シルバータイプの2種がある。

<テクニカルデータ>
全長:20.8m、全高:7.6m、重量:94t、最高速度:130km/h、武器:大口径三連電磁突撃砲1門、中口径加速ビーム連装対空砲1門、全天候自己誘導ミサイルランチャー1機、高圧濃硫酸噴射砲1門、接近戦用ビーム砲2門、連装突撃ビーム砲2機、高速キャノン砲2門、大型赤外線レーザーサーチライト1機、全天候3Dレーダー、高性能前方監視レーダー、グレネードランチャー4機、発煙弾発射機4機




15.ジョー
地球人ジョーの話をしよう。彼は「グローバリーV」の乗客の中で最年少であった。両親と一緒に旅に出たのだが、不時着時にはぐれ、生死さえさだかではない。落ち込んでいた彼を励ましたのは、ゴジュラスの操縦にかけては第一人者であるターナー少佐であった。勇敢でメカに精通した少年ジョーはゴジュラスのとりこになり、ゴジュラス戦闘員の資格を得た。所属は、第二師団であった。改造され強化されたゴジュラスは、全身をレーザー砲やミサイルで包み、軽量化されたことで動きも俊敏となり、戦闘能力は数段ましていた。コクピットは地上から20メートルもあり、目もくらむような高さであった。

ジョーはミサイルなどによる砲撃戦よりも、ゴジュラスの両腕を生かした格闘戦が得意であった。X-day計画発令後、改造第一号のゴジュラスに搭乗し戦場を出た時にも、編隊攻撃の最中に編隊を離れ、レッドホーンの猛攻撃を恐れることなく突撃し、両腕で握り潰し、敵陣を大混乱におとしいれる大活躍をした。しかし、ターナー少佐からは編隊を無視し味方を危険にさらしたことから、大きなカミナリを落とされた。カミナリを落とした少佐ですら、ジョーの勇気と素晴らしい戦闘能力に舌をまいていたのだが……。
この時から、少年ジョーは「神風ジョー」というあだ名を仲間から頂戴した。仲間達は彼の勇気を賞賛したのである。しかし、ジョーの心の中には、行方のしれない父と母のことが、そして地球のことがいつも浮かんでいた。

父と母は無事なのだろうか。
遠い地球には帰れるのだろうか。

この星「ゾイド」から地球は見えない。
コクピットから空を仰いでも、飛び交う戦闘メカがみえるばかりだ。
目を地上に向ければ、そこは荒れ果てた戦場が広がるばかりである。




16.けんか屋ゴートン
帝国軍の師団編成も着実に進んでいた。地球人の忠告に従い、ゼネバス皇帝は陸海空の三軍制を敷き、兵員も装備も各軍に合わせて充実した。
ゼネバスが共和国軍の最高司令官であった当時、海族の出身で「けんか屋ゴートン」と云われた兵士がいた。彼の愛機はエイ型メカであった。しかし、武装は一切なく、陸海空を自由に移動できることから、輸送や伝令業務専門に使われていた。ゴートンは、けんか早いのがたまに傷であったが、操縦テクニックに優れ、しかも勇気があった。ゼネバスとヘリックが別れた時にも「俺にはこっちが性に合いそうだ」と、気軽に帝国軍に参加した。それぐらい戦うことが(…彼の場合は喧嘩をすることであったが)好きだった。

その、ゴートンが今乗っているのは最新のメカをフル装備した戦闘メカ EMZ-19「シンカー」であった。そして彼はいつの間にか、帝国空軍のエースになっていた(エイ型メカは本来海軍に所属しているが、ゴートン機は空軍に籍を置いていた)。共和国軍の RMZ-08「ペガサロス」を相手に回して喧嘩戦法を展開、帝国軍をひっぱる勇士であった。ゴートンはゼネバスに忠誠を誓い(ゴートンは皇帝も、自分同様喧嘩好きなのだと単純に思いこんできた)、あたかも共和国メカを狩るハンターのように獲物を攻撃した。鋭い勘と天性の運動神経、とっさの判断力で敵の背後に回り込み撃墜する様は(彼の戦友はこの攻撃テクニックをゴートンターンと名付けた)、まさに神技であり、勇敢な共和国兵士もゴートンのシンカーを見ると逃げ惑うほどであった。
ブラッドロックの初戦において、ゴートンはペガサロスを10機以上撃墜大破した。この空戦は、ゾイド史上最大のものであった。しかし、傷つき墜落する自軍の兵士をコクピットのフードを開けて見つめるゴートンの目は、ハンターのそれではなかった。そして海族でありながら空にいる自分自身が、なぜか滑稽で虚しく思えてくるのだった。

シンカーもきっと海に帰りたいだろう……。

ゴートンは愛機のボディを軽く叩くと、フードを閉め、次の獲物に向かっていった。


■共和国兵士をふるえあがらせた「喧嘩戦法」
天性の動物的なカンと、生まれながらの負けず嫌いが産みだした喧嘩戦法。ゴートンは敵をギリギリまでひきつけて、チャンスと見るや一気に逆転する。先手必勝の戦法ではない。だから共和国兵士達は“自分でもやっつけられそうだ”と錯覚してゴートンの術中にはまってしまうのだ。

1.ゴートンは愛機を必ず敵の前方にさらし、まるでスキだらけのようなフライトをする。
2.敵を有効射程のギリギリまでひきつけて、まっすぐ超スピードで飛び続ける。
3.敵が有効射程距離に入るやいなや、上か下へむかって360度回転する。
 敵はゴートン機の描く円の中を抜けていく。
4.360度回転して元に戻ると機を水平に制御し、一気に敵を撃墜する。


■EMZ-19 SINKER
 シンカー



<初期>
レッドリバー作戦において空からの攻撃に弱点をさらした帝国軍が、その苦い体験を生かして開発した初の飛行可能メカである。本来は水・陸両用の戦力をかわれ、伝達・輸送に使われていたが、急遽改造し、強力なメカとして最前線に投入された。


<高速洋上仕様>
水上におけるスピードは60ノットと優れているが、空中での飛行速度はマッハ1を切り、ドックファイトには不向きである。しかし、水上から空中への転換が素早く、マルチプルな活躍は貴重な存在である。空の青、海の青に染まったブルーの二色迷彩を施している。


<空戦仕様>
けんか屋ゴートンが愛機に改造を加え、高高度戦闘にも耐える仕様にした。大型ブースターをつけ、ホーミング魚雷、加速ビーム砲を装着。抜群の旋回力誇り、(ゴートンは)一気に空のエースにのしあがった。ボディはマットグレーを中心に、ブースターはブルーを配色。夜間戦闘にも対応できるよう、大型サーチライトをつけている。


<テクニカル・データ>
全長:10.8m 全高:12.7m 全幅:3m 重量:26.6t 最高水上速度:60ノット 最高飛行速度:M0.8−0.9 武器:ホーミング魚雷4発、加速ビーム砲2門、大型ブースター2機、コクピット下部に機銃を2門装備/単独にて飛行可能


■RMZ−08 PEGASAUROS
 ペガサロス



<初期>
戦闘機乗りは、いつの時代においても一匹狼になりがちである。というのは、空においては自分だけが頼りであり、孤独なだけに戦友を頼らないのだ。それだけに搭乗機も個性的で自己顕示欲が強くあらわれる。早い話が、目立ちたがり屋になる。ペガサロスも例外ではない。全身をまっ赤にしたレッドイーグル号、黄色のイエロースターなど、派手なカラーリングで空中戦のエースの座を競い合っていた。


<後期>
しかし、地上攻撃に真価を発揮したペガサロスの時代も、帝国軍のシンカーの登場によって終わりを告げた。けんか屋ゴートンの餌食になるペガサロスが急増したのだ。優れた旋回能力に加え、ゴートンの操縦テクニックが新しい空戦時代を開いたといえる。ペガサロス部隊は、今までの単独戦法を捨て、編隊攻撃を採用。ために機体のカラーもダークグリーンとダークイエローを中心にした迷彩色にかえ、装備も高性能レーダーをつけたこの組織的な攻撃の前に、さしものゴートンも初期のような戦果を上げるのは苦しくなった。


<テクニカルデータ>
翼幅:13m 全高:8m 重量:4.7t 最高飛行速度:M2.5 緊急飛行速度:M3.4(ブースターロケット使用) 武器:30oビームバルカン1門 20oパルスビーム砲2門、対空ミサイル1基、ブースターロケット














ヒストリー・オブ・ゾイド 帝国崩壊編



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