Top
朝日新聞社 www.asahi.com ENGLISH
asahi.com Click Here!
 クラブA&A | 辞書 | 地図 | サイトマップ サイト内キーワード検索  
今日の朝刊

総合面
社会面
経済面
スポーツ面
社説
天声人語

Click Here!


有料記事検索

携帯端末


INDEX
天気・季節
社会
スポーツ
金融・経済
ネット情報
政治
国際
文化・芸能
生活
科学・自然
ENGLISH
今日の朝刊

特集
Woman
健康・医療

カー&ライフ
囲碁
将棋
コラム(AIC)
教育
関西
イベント情報
株価検索
ニュースビデオ

home  > 今日の朝刊  >  2002年10月12日 更新
総合面

   top prev next bottom

■米軍、日本にインド洋上の支援拡大を要望
 米英以外の艦船に燃料提供、P3C哨戒機派遣も 

 インド洋上の燃料補給など同時多発テロを受けた軍事作戦をめぐる日本の支援活動について、米側が新たに警戒監視のためのP3C哨戒機の派遣や、米英軍以外の艦船への燃料提供を求めていることが11日わかった。日本政府は、テロ対策特別措置法に基づいて具体的な支援内容を定めた基本計画の期限が来月19日に来ることを踏まえ、計画延長とともに米軍の意向に沿う支援内容の見直しに着手した。

 関係者によると、米軍の要望は(1)インド洋で海上自衛隊の艦船が実施している補給の対象を、船舶検査(臨検)を実施しているドイツやフランス、カナダなどの艦船に拡大する(2)臨検を実施している艦船の警戒監視などのためにP3Cを派遣する――などが主な内容。今月上旬までに米軍から防衛庁に伝えられた。

 日米両政府はアルカイダのメンバーがアフガニスタンから出国し、他国で活動を続けているとみており、「テロ掃討は終わっていない」(日本外務省筋)と位置づけている。9月に訪米した川口外相が、ラムズフェルド米国防長官に要請があれば基本計画の再延長を検討する考えを伝えていた。

 米側としても、テロ組織メンバーの逃亡を防ぐ臨検などにさらに力を注ぐ必要があると判断、日本側に支援内容の拡大を要請した。将来、イラクとアフガンで軍事作戦が同時進行する場合に備え、アフガンでの作戦展開に日本のいっそうの協力を得る狙いもありそうだ。

 米英軍以外の艦船への燃料補給については、日本政府が今年2月、オーストラリアなどの要請を「米英以外では日本が支援する理由を見つけにくい」などとして断った経緯もある。ただ、テロ特措法が補給対象の国を具体的に明示していないため、防衛庁は現計画の範囲内で米英軍以外の艦船への燃料補給も可能とみている。

 P3C派遣については基本計画に新たな派遣機種や活動内容を書き加える必要がある。高性能のレーダーなどを備えたP3Cが多国籍軍に所属する他国艦船のための警戒監視についた場合、提供した情報の利用のされ方によっては、憲法解釈上行使が禁じられている集団的自衛権との絡みが国会などで問題視されることも予想される。

 テロ特措法の基本計画は6カ月ごとに見直すことになっており、今年5月は内容を改定せずに延長された。
   top prev next bottom

■大統領にイラク攻撃の権限、米上院も決議採択

 【ワシントン=石合力】米上院は11日未明(日本時間同日午後)、ブッシュ大統領にイラクへの武力攻撃の権限を与える両院共同決議を77対23の賛成多数で採択した。10日の下院での採択に続くもので、大統領が「米国の国家安全保障防衛のため必要かつ適切」と判断すれば武力行使できる内容だ。国連の手続きとは関係なく、米国はいつでも単独で武力行使に踏み切れる態勢が整った。

 賛成に回った77人の内訳は共和党48、民主党29、反対23人は民主党21、共和党、無所属が各1。下院では反対が賛成を上回った民主党だが、上院では賛成が上回った。今回の決議は、国連安保理で米英が主張する武力行使を含む内容の新決議の採択に向けて、米国の強い立場を示し、イラク側に駆け引きの余地を与えない意図がある。

 決議は、「外交や他の平和的手段」による解決を優先するよう求めており、すぐに武力行使につながる状況ではない。新たな安保理決議を採択できるかが次の焦点だ。

 同様の決議は、91年に現大統領の父、ブッシュ元大統領がクウェート占領中だったイラクに対する武力行使権限を得たものがある。上下両院とも民主党が制していたこともあって上院が52対47、下院が250対183といずれも今回より少ない賛成票だったが、イラクに通告したクウェートからの撤退期限が直後に過ぎたことから、元大統領は決議から4日後に武力行使に踏み切った。

 当時の決議は、開戦前に外交が失敗したことを大統領が議会に通知する義務があったうえ、特定の安保理決議の履行と武力行使が結びついていた。今回は、議会通告は武力行使後48時間以内でよく、特定の安保理決議との関係もないため、大統領に、より広い裁量を与えた形になっている。
   top prev next bottom

■カーター元米大統領にノーベル平和賞
 ノーベル賞委員会、米国の対イラク政策を批判 

 【オスロ=福田伸生】ノルウェーのノーベル賞委員会は11日、02年のノーベル平和賞をジミー・カーター元米大統領(78)に授与する、と発表した。委員会は「力による脅しが横行する状況に対し、仲介と国際協力で紛争を解決すべきだという原則に立脚してきた」と、授賞理由を説明。米議会が対イラク武力行使容認を決議するなか、国際法や人権を尊重してきたカーター氏を評価する形で、軍事力万能の国際秩序に警鐘を鳴らした。

 ベルゲ委員長は、「現在の米政権がイラクについてとっている立場への批判と見なされるべきだ」と述べた。

 冷戦後、同委員会は、「メッセージ性」を込めて平和賞を選ぶ傾向にある。国連の権威が揺らぐ中、昨年はアナン国連事務総長が受賞。今年は、アフガン和平を進める意味から、移行政権のカルザイ大統領が有力か、と取りざたされた。

 長くマスコミに「候補」とされていたカーター氏は故郷に開設したカーター・センターを拠点に、退任後の20年余り、世界各地で紛争解決や民主化、人権擁護に取り組んできた。国際的に孤立した朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を訪問し、米大統領経験者として初めて、革命後のキューバの土も踏んだ。

 委員会は、カーター氏が大統領時代に、エジプト、イスラエルの和解を達成したキャンプデービッド合意を改めて称賛した。賞金は1千万スウェーデンクローナ(約1億3千万円)。12月10日、オスロで授賞式が催される。
   top prev next bottom

■ノーベル化学賞の田中氏、主任から役員待遇に
 島津製作所、特別報奨金も検討 

 島津製作所は、ノーベル化学賞の受賞が決まった同社研究員の田中耕一氏(43)を現在の主任から役員待遇に昇格させる人事案を固めた。特別報奨金を出すことも検討している。複数の関係筋が11日、明らかにした。同社は課長級より下の研究員のノーベル賞という事態に、破格の待遇を用意する。

 米国出張中の矢嶋英敏社長が12日に帰国する予定で、週明けに開く予定の常務会で田中さんの昇格人事案件を審議し、決定する見通し。

 田中さんは83年同社に入社。現在は、分析計測事業部ライフサイエンス研究所の主任を務めている。これまで昇進については「上の役職に進めば、研究から離れてしまう」と拒んできた。島津は、受賞が決まった直後から、処遇の見直しについて検討。役員待遇であれば、希望する研究を続けられる、と判断した模様だ。

 また特別報奨金についても支給する方向で詰めており、額は未定。
   top prev next bottom

■先行減税の規模示せず 経済財政諮問会議

 政府の経済財政諮問会議は11日、来年度税制改革の全体像をとりまとめた。先行減税の規模については、諮問会議内部で調整がつかず、「1兆円を超えるできる限りの規模を目指す」として、具体的な規模は示せなかった。減税項目では研究開発・投資減税など政策減税を中心に実施することで合意。焦点となっていた法人税率の引き下げは「引き続き検討する」としたものの、03年度からの実施は見送ることで事実上決着した。

 具体的な減税項目として、研究開発・投資減税の他、中小企業税制や土地の有効利用を促す土地税制の見直し、金融・証券税制の簡素化などをあげた。

 一方、増税の検討項目として、控除の廃止・縮減や消費税の免税点制度、簡易課税制度の見直し、酒税、たばこ税の見直しなどが対象となる。
   top prev next bottom

■銀行保有株買い取り2兆円、5年保有 日銀が方針発表
 大手行に引当金の上積み要求 

 日本銀行は11日、不良債権処理の加速に向けた方針となる「不良債権問題の基本的な考え方」を発表した。日本の金融機関が貸し倒れに備えて確保している引当金が、必要額に対して不足しているとの認識を示したうえで、とくに大手銀行に対して引き当ての上積みを求め、資本が不十分となれば公的資金の注入が検討されるべきだと明記した。併せて銀行保有株の買い取りの具体策も公表し、03年9月末までに総額2兆円分を買い取り、今後5年間以上保有するとした。

 「考え方」では、不良債権問題が「バブルの負の遺産」の処理だけでなく、産業構造調整による新規発生への対処が必要になっていることを指摘。将来のリスクに備えるため、「金融機関の引き当て方法にさらに改善の余地がないか、検討を深める必要がある」として、大手銀行に努力を促す。具体的には、米国の金融機関で用いられている査定方式で、融資先企業の将来の収益予想を基礎に引当金を決める「債権の割引現在価値」(ディスカウント・キャッシュフロー)方式を提案した。

 こうした処理で「金融機関の自己資本が棄損される可能性がある」として、収益力向上を促すことを前提に、公的資金の注入を促している。

 このほか金融機関が不良債権を売却などで帳簿から切り離す最終処理を進めるため、整理回収機構(RCC)の活用を提案した。

 銀行保有株式の買い取りは、保有株式額が中核的自己資本を上回る銀行に対し、長期格付けがトリプルB以上の企業の株に限り年内に開始する。個別銘柄の買い入れ上限として議決権の5%まで、などの基準も設けた。買い入れた銘柄は公表しない。
   top prev next bottom

■日朝交渉、政府内に新組織続々

 日朝国交正常化交渉の再開と日本人拉致問題の解決に向けて、政府内に関係会議や新組織の設置が相次いでいる。11日には、外務省が正常化交渉のタスクフォース(特別チーム)の設置を決めた。政府全体で取り組む姿勢を強調する狙いがある一方、拉致被害者家族の外務省不信、関係省庁内にくすぶる「情報が伝わってこない」との不満が背景にある。

 川口外相は11日の記者会見で、タスクフォースとして、外相を議長に、副大臣や政務官と関係幹部で交渉方針を協議する「政務会議」と、事務次官を議長に、事務方のみで構成する「局長級幹事会」を設置することを明らかにした。省内には、「秘密交渉」を進めてきたアジア大洋州局への不満があり、体制を立て直す意味がありそうだ。

 一方、交渉の「最高意思決定機関」は、全閣僚で構成する「関係閣僚会議」。9日には「北朝鮮側の誠意を見極めつつ、慎重に進める」などとした交渉の基本方針を決めた。

 拉致問題に関しては、同会議の下の「専門幹事会」(議長・安倍晋三官房副長官)が仕切る。外務省による情報や交渉の独占を防ぐ狙いも込め、警察庁や公安調査庁など関係省庁が参加する。

 さらに、「中山恭子内閣官房参与室」が被害者家族の支援にあたる。

 15日に一時帰国する5人の生存者への対応は、内閣官房の「帰国受け入れチーム」が受け持つ。
   top prev next bottom

■成田を単独民営化 国交省方針

 国際3空港の民営化を検討してきた国土交通省は11日、成田の単独民営化を先行させる方針を固めた。新東京国際(成田)空港公団を04年度にも特殊会社化。その後、特殊会社の株式を売却して民営化し、売却収入を関西空港の債務圧縮などにあてたい考えだ。中部、関西の各空港も単独で民営化される。

 成田公団は特殊会社化にあわせて、新設されるサテライトで直営売店の営業を始める計画だ。民営化会社は売店などの非航空収入を増やし、着陸料(ジャンボ機で1回約95万円)の引き下げを目指す。
   top prev next bottom

■《折々のうた》
 大岡信 

 朽舟の底に鷺(さぎ)立つ寒露かな

 廣瀬直人(ひろせ・なおと)

 『矢竹(やたけ)』(平一四)所収。「福島松川浦三句」とある中の一句。朽ちて放置されている舟。船底に一羽の鷺が立っている遅い秋の朝。一幅の絵のような、と言いたいような風景である。同じ一連のもう一つの句には、「歩き出しさうな稲棒(ぼっち)の丈揃(そろ)ふ」とある。「ぼっち」というのは、一般に稲架(はざ)(稲掛、掛稲、稲木など)とよばれているものの、ある地方での称(よ)び名だろう。畦(あぜ)に木や竹で組み、竹竿(たけざお)や細丸太を渡して作る。
   top prev next bottom

■《ひと》「日本博物誌年表」を出した磯野直秀さん
 15年がかりの労作 

[磯野直秀さん]

 《写真》 いその・なおひで(66)。「今の学生で萩(はぎ)を知っているのは1割弱、桃もそろそろ危ない」

 今や野生は絶滅したトキも、1790年には加賀藩主・前田治脩(はるなが)が鷹(たか)狩りで13羽も捕った。コウノトリは1864年、浅草観音本堂に巣を作っていた。

 古代は「縄文時代、狩猟用に犬が飼育された」に始まり、明治元年までの動物や植物の記録を調べ上げた。トキ15件、オオカミ9件、桜関係35件……。

 2万5千円もする本が、初版第1刷千部はひと月でほぼ売り切れ。「予想外でした。引くだけでなく読んで面白いと言われます」

 専門はウニなど動物発生学。77年に都立大から慶応義塾大へ移った。環境汚染問題にかかわった経験から、「日本人の自然観を歴史的に明らかにしよう」と博物誌研究に転進。国会図書館や東京国立博物館に通い詰め、先達・上野益三の「日本博物学史」(1973年)などに使われた和漢書を片端から読んだ。

 朝4時起床。書き物などを済ませ、開館と同時に図書館に入る。自然科学者らしい徹底ぶりで図書館の博物書リストを作った。「唐蘭船持渡鳥獣之図」などの第一級資料も発掘した。

 「長崎に渡来した鳥獣を幕府に報告する写生図ですよ。図というものは転写されるたびに色や模様が派手になる。鯨図譜なんて緑や赤いクジラも出てきます」

 この仕事は体力勝負だと、定年2年前に慶応大を辞めた。現在は名誉教授。労作は今夏、出版されたが、翌日も国会図書館に。

 「補充したいところが随分ありましてね」(文・清水弟、写真・山口清文)


【総合面】  【社会面】  【経済面】  【スポーツ面】  【社説】  【天声人語】 


Homeへ | 画面上へ 
ニュースの詳細は朝日新聞へどうぞ。購読の申し込みはインターネットでもできます。
asahi.comに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
| 著作権 | リンク | プライバシー | 広告掲載と注意点 | アサヒ・コムから | 朝日新聞社から |
Copyright Asahi Shimbun. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.