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F1最前線の男たち 1)ドライバー・佐藤琢磨

日本人初Vへ意欲満々



昨年11月のF3国際大会マカオGPで初優勝し、トロフィーを掲げる佐藤琢磨=AP

 モータースポーツの頂点フォーミュラワン(F1)。レースを始めてわずか6年で佐藤琢磨(25)は「夢」の舞台に立つ。「開幕が待ちきれない」。3月3日に決勝がある豪州グランプリ(GP)でジョーダン・ホンダからデビューする。

 F1への道は通常だと、カートに乗ることから始まる。一歩ずつ階段を上り、最後に到達するのが一般的だ。

 佐藤の歩みは速かった。早大在学中は自転車選手。全日本学生選手権も制したが満足できなかった。10歳の時、観戦した日本GPのスピード感が忘れられなかった。

 96年、19歳でレーシングカートへ。翌年、三重・鈴鹿サーキットのフォーミュラレーシングスクール(SRS−F)へ入学。奨学金を得て98年7月に渡英し、昨年のF3で総合優勝した。各国のF3チャンピオンが集まる昨年11月のマカオGPも制し、豊かな才能を見せつけた。

 世界に20人余しかいないエリートが手に出来るのは、栄誉だけにとどまらない。フェラーリに昨年、製造者とドライバーの両部門でタイトルをもたらしたミヒャエル・シューマッハー(ドイツ)の年俸は推定3000万ドル(40億円)以上という。

 ばく大な報酬には、危険に対する補償という側面も。複雑なコースを時速200キロ以上で疾走する競走では、ささいなミスも死に直結する。極限状態でも緊張感を保てるよう、肉体と精神面を鍛えなければつとまらない。90年、日本GPで3位に入った鈴木亜久里(41)は「レース中、心拍数はマラソン並みの180〜200に上がる。耐えられるように毎日、トレーニングが欠かせなかった」と振り返る。

 「挑戦しなければ成功もない」。163センチの体に、佐藤は意欲をみなぎらせる。欧州で行われているテスト走行では新車にトラブルが相次いだが、前向きだ。闘志を前面に出した攻めの走りを身上としている。名門ホンダ復活と日本人ドライバー初の優勝。二つのゴールを目指してアクセルを踏み込む。(敬称略)

 F1の世界選手権シリーズ開幕が間近に迫った。佐藤琢磨のデビュー、トヨタの初参戦など話題豊富なシーズンを前に、関係者たちは最後の調整に余念がない。レースの最前線で働く男たちを追った。(このシリーズは原島由美子が担当します)

【日本人ドライバー】
 フル参戦したのは過去6人。87年の中嶋悟が第1号で、89年豪州GPでは最速ラップを記録した。鈴木亜久里、片山右京、井上隆智穂も走った。中野信治と高木虎之介は現在、米CARTに参戦中。表彰台には鈴木が1度、上がっただけ。

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