秋田商が18日、甲子園練習に臨んだが、雨で21日午前9時半に延期となり、同球場内の室内練習場で50分間汗を流した。大黒柱のサブマリン、佐藤洋投手(3年)が約70球の投球を行った。先発に左打者4人をそろえる初戦(28日)の東海大菅生(東京)対策を入念に行った。
佐藤洋の投球は9割が変化球だった。「まだ向こうのビデオは見ていませんが、左打者が多いと聞いているので」。佐々木弘史一塁手(3年)小山田聡太右翼手(3年)ら左打者を立たせ、下手からスライダーを中心に内角に食い込むボールを投げた。
小野平監督(56)も実戦を意識した投球を指示した。鳥井将捕手(3年)に「ブルペンでは低めでいいが、試合では高めも有効」と内角高めを要求。「基本はインハイ、アウトロー。(内角)高めに投げられれば腕が縮んだままスイングさせられる。いい打球はまずいかない」と話す。
東海大菅生のクリーンアップはすべて左打者だ。左に苦手意識はないが「試合で数字を残されている。サイドだと(左打者には)見やすいし、下で投げた方が角度のついた球が投げられる」。横手、下手と「打者を見て」投げ分ける佐藤洋は、すでに攻略の糸口をつかんだようだ。
186センチの長身だが、秋田・羽城中1年冬から「当時の監督に言われて」とサイドスローに変え、同2年春に下手投げを覚えた。ロッテ渡辺俊介投手が手本だ。WBC韓国戦に2度先発したのを見て「真っすぐもいいけど、やっぱり変化球の制球がすごい。自分も変化球のコントロールを良くしたい」。尊敬する投手からインスピレーションを受け、「俊介スライダー」で相手打線を封じ込む。【清水智彦】
[2006/3/19/11:44 紙面から]
写真=室内練習場で秋田商・小野平監督(左)が差し出す帽子に向かってピッチング練習する佐藤洋
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