林野庁、スギ伐採効果をHPで誇張
林野庁は21日、花粉症の原因とされるスギ花粉の発生を伐採で減らす事業について、効果が上がった検証結果だけを使って花粉を出す雄花の量が「50%減少する」などと誇張した内容をホームページに載せていたと発表した。
記者会見した辻健治次長は「国民に誤解を与える不適切な公表をした」と陳謝し、ホームページの表現を「50%程度減少した例もあった」と修正した。伐採事業は続ける方針。
事業は02年度から4年間、16都府県のスギ林133カ所(合計面積2900ヘクタール)について総額5億2000万円で実施。各スギ林の雄花が多い木から、本数で20〜30%を伐採した。
このうち、事業の効果を検証したのは02、03両年度で、7府県の都市部に近いスギ林77カ所。伐採した前後で、各スギ林の雄花の量がどう変化したか調べた。
その結果、雄花の量が伐採した本数の割合よりも減ったのが46カ所、このうち50%以上減ったスギ林は23カ所にとどまった。一方、本数の割合ほどの効果がなかった林は25カ所、反対に量が増えたのは6カ所あった。
量が増えた要因について林野庁は「雄花が多い木を適切に選ばなかったからではないか」と説明している。同庁は伐採して多くの光が当たるようになったスギについては、雄花の量が増えるケースがあることも認めている。
[2006/2/21/23:24]
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