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Web担当者 現場のノウハウ vol.1

すべての業務を把握してバランスをとるのがウェブマスター2.0

木, 2006-07-27 23:05
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ウェブマスター2.0の仕事術タイトル

単なる調整役ではない統括役の知見とプランを持とう
ウェブマスターの業務マニュアル完全版

ウェブマスター2.0の仕事術

Part1 ウェブマスター2.0 ― Webmaster 2.0

長谷川 敦士(株式会社コンセント)

ウェブサイトの管理者は、更新業務やホスティング契約に始まり、SEO、リスティング広告、アクセス解析、ユーザビリティなどさまざまな仕事で忙しい。また、これらの業務は個別のものだと思われがちだが、実はそれぞれが相互に強く関係している。たとえば、SEMでプロモーションを行った場合、アクセス解析で効果測定をするのは当然だろう。企業のウェブ管理者としては各要素の関連やつながりを意識する必要があるのだ。また、こういった対策にどれくらい費用をかければよいのか、全体予算の中でどういった費用配分をすべきなのかも難題である。

この記事では、Web 2.0時代におけるウェブサイト管理者の仕事の全体像を解説する。説明する内容は多岐にわたり、それぞれの要素は突き詰めると深い専門性を持つ。ウェブサイト管理者自身が個別の業務すべてを遂行する能力を身につける必要はないが、少なくとも、その全体像とバランスを把握しているのが「ウェブマスター2.0」だと言えるのではないだろうか。

ウェブサイト管理者が関わる業務は、図1のように、大きく3つのパートに分けられる。ウェブサイト管理者はこれら3つの要素全体のバランスを考えて、それぞれのパートの中で何をやっていくかを考える必要がある。この全体像をそれぞれのウェブサイトに適用しながら、限られた予算と時間、人的リソースの中でどの部分を実施していくか、現時点で不足しているところはどこか、改善すべき点はどこなのか、といった検討を行う。

それぞれのタスクは、日々の運用の中で検討すべきこともあれば、リニューアルの際に検討すべきこともある。いずれにせよ、それぞれの企業に合った運用フローや課題の改善、効果の検証といったものは、全体像を前提に連続的に考えていく必要がある。重要なのは、すべてを一度にやろうとせずに、計画的に実施していくことだ。

同様に、予算に関しても、個々の業務のコストや効果と全体像を把握したうえで総合的に検討されるべきである。

全体像とそのバランスを理解していれば、外部の専門家に相談をする際にも、出された提案を適切に判断できるようになる。まっとうな業者であれば、企業側がこういったビジョンを明確に持っているほうが具体的な提案を行ってくれるだろう。

ウェブマスター業務《1》
たくさんの人を呼び込む

プロモーションやマーケティングと呼ばれる側面で、「いかにそのサイトのことを知ってもらうか」「どうやってそのサイトに来てもらうか」の部分である。ウェブサイトはよく図書館やお店などにたとえられるが、利用者がそのサイトに来ないことには何も始まらない。

集客を考える場合、昨今は、ウェブサイトの訪問には、ほとんどのユーザーが検索エンジンを用いており、その重要性は高まるばかりだ。何かを探す場合だけでなく、ブックマーク代わりに検索エンジンにキーワードを入力してサイトを訪問するような使われ方も増えているのが実際だ。

ユーザーの訪問経路をうまく考え、サイトによりよく来てもらえるようにする手法を具体的に紹介しよう。

SEO

SEO(検索エンジン最適化)は、検索エンジンで特定のキーワードで検索されたときに検索結果で上位に表示されるように、ページ内の文章やHTMLの構造を最適化する手法だ。ある程度まではだれにでもできるサイト訪問者数を増加させる対策で、基本的に考えなければならないことは、次の2つのポイントだ。

  • サイトにある情報はどういったキーワードで探されているか
  • ユーザーが欲しい情報をサイトで提供できているか

しかし、実際には付け焼き刃でSEOを行ってもある程度以上の効果は出ない。実際にウェブサイト管理者がSEOとしてするべきことは、「ユーザーニーズを反映したわかりやすいサイト構成」を突き詰めることだ。検索エンジンは「ユーザーの要求に合わせた結果をどうやって出すか」を考えて日々進化しているため、ユーザーにわかりやすいサイトは検索エンジンからも良い評価を得る可能性が高いのだ。自分でSEOを考える場合、次のポイントをよく考えよう。

  • 自社サイトの構造がユーザーにわかりやすくなっているか
  • ページの中でユーザーにわかりやすい表現がなされているか
  • 扱っている商品、サービス、内容がすべて表現されているか
  • サイトの構成が全体から詳細へ、という順序になっているか

特に、自社の情報や自社で扱っているサービスや製品の情報については、慣れてしまってつい表現を省略してしまったり、説明を省いてしまったりすることも多い。常に初めて情報に触れる人の気持ちになって内容が書かれているかを考えてみよう。適切な情報を、論理的に正しいHTMLの書式にならって記述することで、SEO効果の向上が期待できる。

もちろん、さらに高度なSEOをねらうならばSEOの専門業者に依頼するのがいいだろう(P.80やP.82も参照)。

キーワード広告

検索エンジンで使われたキーワードに対応した広告を検索結果ページに表示するキーワード広告は、ここ数年で飛躍的に効果を高めている。

検索エンジン経由の集客ならば、SEOを適切にしていればいいはずだ。それでもキーワード広告が伸びている背景にあるのは、多様な検索キーワードに対してSEOするのは不可能なことや、世の中に存在するウェブページの数が爆発的に増えて、ビジネスに結びつきやすい人気キーワードでは検索結果の上位に露出するのが難しくなっていることなどがある。

ほとんどのキーワード広告では、露出回数ではなく、広告がクリックされた回数で広告費用が発生する。また、キーワードの価格は「オークション方式」、つまり高い価格で入札した広告が優先的に表示される仕組みになっている。このため、一般的なキーワードは人気で入札価格はすぐに上昇してしまう。適切なキーワード選びが費用対効果を高めるためには重要だ。

多くの企業にとって有効なのは「特徴を持った、それでいて普遍的なキーワード」を、単語の組み合わせも利用して見つけることだろう。昨今では、1社が数千~数十万種類のキーワードに入札して広告を出すことも珍しくなくなってきている。

キーワード広告で価値を生むキーワードは簡単に見つかるものではないが、自社のサイトにどういったキーワードが最も適しているかは、マーケティング会社などの外部の専門家よりも内部のスタッフのほうがよりわかる場合も多い。自社の商品やサービスをとりまく環境や顧客の志向がもとになるからだ。ユーザーが自社のサイトの内容(商品・サービス)をどういった状況で使いたいのかを検討したり、自社のサイトにどんなキーワードで人々が訪れているかをアクセス解析で調べたりすることによって効果的なキーワードを探れるはずだ。

キーワード広告は、効果が出なければ意味がないので、キーワード広告経由でのサイト訪問者が適切な振る舞いをしているか(購買を行っているか、情報請求を行っているか、など)については、アクセス解析で特別に分析を行い、その費用対効果を常に検討する必要がある。

バナー広告

特に広く告知を行い、多くの人に知ってもらう場合は、いわゆるバナー広告も検討に入れるべきだ。たとえばキャンペーンなどは、多くの人に知ってもらい、興味を持ってもらって初めて意味を持つからだ。代理店などに相談をもちかけ、妥当なプランを提案してもらうのがいいだろう。

また、最近ではメガバナーと呼ばれるFlashを用いた広告も見られるようになった。その広告の内容自体がストーリーやゲームになっており、従来のバナー広告を超えた別物だと考えるべきだろう。広告の内容自体が話題を呼ぶこともあるなどの効果も考慮しておくべきだろう。

キーワード広告と同様に、費用に見合った効果が得られているかをアクセス解析で検証し、適切な規模感を見極めていく必要がある。

ブログ(トラックバック)

ブログはもともと個人向けの日記として普及したものだが、企業サイトのプロモーションとしても注目を集めている。

たとえばスタッフのブログなどを運営することで、企業の生の声が見えるようになるという特徴がある。ブログを通じた人間同士のコミュニケーションがサイトへのロイヤリティを生むと言えるだろう。

またサイトへの集客において、個人ブログの口コミによる効果は無視できない。特にロングテールと呼ばれる、いわゆる「ニッチ」ジャンルでは、キーワード広告やバナー広告などだけでは効果が期待できない。こういった場合もサイトにトラックバックを受け付ける機能を持たせるだけで、それらの情報は個人サイトや掲示板などでとりあげやすくなり、口コミの効果が期待できるようになる。また、トラックバックによりウェブサイト間の生きたリンクが密になり、SEOの効果も期待できる。

ブログは技術的にはCMS(コンテンツ管理システム)の一種だが、運用負担も含め、後述のワークフローの検討と同時に考えるべきだろう。

RSS

ブログ同様に普及しだしている技術がRSSだ。RSSは一言で言えば、ウェブページとは別のチャンネルでサイトの情報を告知できるる仕組みだ。サイトの情報をRSS形式で出力しておけば、ユーザーはサイトを訪れなくとも、RSSリーダーと呼ばれるソフトやはてなアンテナなどのサービスを使って情報を得られるようになる。

現在のところまだ大々的に普及しているとは言い難いが、今後一般化する速度は速まるだろう。RSSリーダーを常用している先進的なユーザーからは、RSSを提供していないサイトは定期的にチェックする気にならないという声もあるぐらいだ。

また、ブラウザでサイトを訪れたページビューだけでなく、RSSを読み込んだ数を読者数としてカウントする考え方も出てきている。

RSS機能はCMSと連動するものであるため、CMS導入と一緒に考えるべきだろう。

その他のプロモーション(メルマガ、SNS)

これ以外にもメールマガジンやSNS(ソーシャルネットワーク)など、ユーザーとの接点になる部分にはサイトプロモーションの機会がある。どういったユーザーをサイトに呼びたいかを考え、それぞれの方法を検討しよう。

アクセス解析

ここまで述べてきたようなプロモーションの効果を高度に検証できるのが、アクセス解析だ。一昔前のアクセス解析は、ページビューや来訪者数をカウントする「アクセス統計」でしかなかったが、ここ数年でアクセス解析は急速に進化し、マーケティング的な観点による高度な分析が可能になっている。ユーザーがどういった道筋でサイト内を移動しているのか(動線分析)、申し込みなどの手順の各段階でどれぐらいのユーザーが先に進むのをあきらめたのかや、さらに、キーワード広告をクリックしてサイトに来たユーザーがサイト上でどの製品を購入していくらの売り上げになり、広告の費用対効果がいくらになったのかなどまで分析できるサービスもある。

これらの分析によって、SEOや広告などの効果測定をすることは、ビジネスでウェブサイトを運営していくうえでは必須だろう。費用対効果はどうなのか、もっと積極的に展開すべきなのかなどの判断は、アクセス解析なしにはできないと言っても過言ではない。また、ユーザーがサイトをどう使っているのかや、この後で解説する、サイトでのユーザーの「もてなし」のヒントもアクセス解析から得られる。

目的に応じて、中長期のインターバルで行うアクセス解析と、毎日またはそれよりも短い単位で行うアクセス解析をうまく組み合わせることが成功の秘訣になるだろう。ただし、アクセス解析によって分析する項目は、最初に一度に設定するのは難しい。まずは全体の傾向を見るような設定を行い、数か月ごとに、より細かく分析ようにするのがいいだろう。

ウェブマスター業務《2》
サイトでもてなす

サイトに訪れた人にいかに目的を達成してもらうかを考えるためには、「そのサイトの目的」つまりサイトでどういったことを達成してもらいたいのかが重要となる。楽しんでもらいたいのか、必要な情報を入手してもらいたいのか、問い合わせをしてもらいたいのか、あるいは購入を行ってもらいたいのかなど、目的によって、もてなし方は変わってくる。

目的がないサイトでは問題点も改善の方向性も見えてこない。「サイトの目的」がまずあり、そこから「ユーザーにどういった体験をしてもらいたいか」を考え、それに従ってサイトでのもてなしを考えることになるのだ。

サイトでのもてなしには「こうすればOK」といったようなハウツーやテクニックは存在しない。目的に応じて、ユーザーのことを考えてどうすれば一番効果的かを試していこう。

サイトでのもてなしの効果は、アクセス解析によって具体的に知ることができる。ひとつひとつのもてなしの方法を少しずつ変えて、変更の効果をアクセス解析によって検証しながら、長期的に最適なサイトにしていこう。また、異動などで担当者が代わってもノウハウが残るように、立てた仮説とその効果を記録していこう。このノウハウの蓄積は、その企業のサイトにとって、ある意味最も貴重なものでもある。

ここでは、サイトでのもてなしを向上させるためのいくつかの要素を紹介しよう。

ユーザーのことを考えたコンテンツ

一番重要なのは、サイトの内容だ。これがなくては、いくらデザインが美しくても、オープニングムービーがすごくても、サイトを訪れた人を失望させてしまう。

ウェブサイト内での文章は広く万人に読まれることを意識して書かねばならない。文章で主に気をつけなければならないのは、「ぱっと見てそのページに書かれていることがわかるか」という点だ。ウェブサイトを訪れる人は、さまざまなページからのリンクや検索エンジンからやって来る。必ずしもトップページから順にたどって来るとは限らないのだ。このために、それぞれのページでポイントを絞った内容が明快に書かれていることが必要となる。

コンテンツとしては、「企業側が伝えたいこと」ではなく、「ユーザーが知りたいこと」を基本に構成することを心がけたい。これはそのまま、ユーザーの検索エンジンで使うキーワードにも結びつき、SEO効果を高めることになる。

サイト全体の構成としても、全体→詳細という順序で内容を記述するようにし、入口のページだけで全体がつかめるよう心がける必要がある。また、ナビゲーションに使う「ラベル名」も、ユーザーのサイト内での移動や行動に密接に関係があるため重要だ。想定しているユーザーの立場になってわかりやすいラベル名を記述しよう。

いずれにせよ、実際のユーザーから反応を聞いて、よりよくしていくことがベストだが、それができなくとも周りの人や他部署の人に読んでもらって、わかりにくいところは直していこう。

ユーザーに便利なサイトの作り

一般に言われる「ユーザビリティ(使い勝手)」、つまり「使いやすさ」は、「おもてなし」において特に重要だ。ボタンやリンクの位置ひとつで申し込みや購買の行動をするかあきらめるかが分かれる場合もあるからだ(P.126も参照)。

ページとページをつなぐリンクを例に考えてみよう。たとえば、チケットを販売するサイトで、システムの都合でスケジュールの表示とチケットの申し込みとが別のページになってしまったとする。このとき、企業側では「グローバルナビゲーションの『予約』を押せば予約できるから問題ないだろう」と考えがちである。しかしユーザーからすると、選択肢が多いために、次に何をすればいいのかわからなくなり、そのままサイトから去ってしまうこともあるのだ。

この場合は、スケジュール表示の下に「予約ページへ」というリンクを用意しておくだけで、ユーザーは混乱なく次へ進むことができる。

アクセシビリティ

ここのところ重要視されているのが、サイトがさまざまな環境やユーザーに対応しているか、いわゆる「アクセシビリティ」だ。JIS(JIS X 8341-3)としても規定されているアクセシビリティは、具体的には高齢者や障碍者などハンディキャップを持つ人に対応しているかという意味で使われることが多い。たとえば、マウスを使えない人に対しては、ウェブサイトはキーボードだけで利用可能である必要がある。

通常は、特にFlashコンテンツなどでは表現力と引き替えにアクセシビリティが低下することが考えられる。しかし、単純にFlashが悪いわけではない。そのサイトの目的やターゲット、企業としての方針に従って検討すべきである。

サイトの印象(ブランド価値)

ここまで、主に使い勝手や目的への最適化について述べてきたが、別の観点ではウェブサイトはその企業や組織の玄関であるとも言える。ウェブサイトを訪れて持ったイメージがそのままその企業や組織のイメージとなると考えるべきだろう。

たとえば老舗の旅館を訪れた場合、その佇まいと、スタッフのもてなし、料理、すべてから感じるイメージがその旅館の印象として残るはずだ。ウェブサイトでも同じだ。その内容、デザイン、ナビゲーションなどの機能といった全体的なイメージでサイトの印象が決まるのだ。内容などもさることながら、画面デザインも単に「かっこいい」だけでなく、「どういった表現が一番自分たちらしいのか」という観点で考えていきたい。

ウェブマスター業務《3》
サイトを効率的に運用する

ビジネスとして運営しているサイトならば、裏側、つまりその効果に対してのコスト効率も重要となる。いくら人気のサイトでも、コストが見合っていなければ当然長続きしない。ここで、「コスト」として考えられるのは、主に更新などの、内容を拡充するための作業に伴うコストとサーバーなどのインフラコストとなる。コマースサイトなどを運営している場合はもちろんそういった費用も発生する。いずれにせよ、どのくらいの金額、規模感が妥当であるかは知っておく必要がある。

もちろん、コストには、内部コストも含まれる。ウェブサイト管理者が更新などの作業を行う場合は特に重要だろう。開発時に非常に複雑なシステムを作ってしまうと、更新時にも費用が割高になってしまうことがある。このため、サイトの構築・リニューアル時には、どんなワークフローでサイトを運営していくかについて意識しながら、開発を行う必要がある。

では、具体的な効率よく運用するための要素を見ていこう。

CMSの導入/ワークフローの効率化

一般にウェブサイトの更新作業は、情報の修正や定型の情報の追加と、不定形の情報・コンテンツの追加に分けられる。ニュースリリースやブログなどの、決まった形の情報の追加にはCMS(コンテンツ管理システム)が効果的だ(P.108やP.146も参照)。

CMSを使えばブログ入力画面のようなフォームからサイトを更新できる。HTMLやFTPの知識がなくてもサイトを更新できるため、更新の費用やスピードを大幅に効率化できる。特に、更新頻度が高い内容については、CMSを一度導入してしまえば、ほとんど手間をかけずにサイトの鮮度を保つことができるため、積極的に導入を検討すべきだろう。

また、CMSの導入によって、運用のワークフロー(仕事の流れ)を見直し、定型化できる効果もある。運用のルールを規定できれば、担当者個人の判断や融通に頼る必要がなくなり、作業者の負担を下げたり、責任の所在を明確化したりすることができる。

更新頻度が低い部分や不定形の内容については、CMSのメリットを生かしきれない場合もある。あまりにいろいろな場合を想定すると初期開発コストがかさんだり、空白のテンプレートを用意することになったりするからだ。ただし、この場合でも、サイトのバージョン管理や掲載承認プロセスのためにCMSを導入するのであればCMSの意義がある。

レンタルサーバー

ウェブサイトのコストで目に見えるものとしてサーバーやネットワークなどのインフラ費用がある。

レンタルサーバーは価格低下が続いているが、サービスの乗り換えには大きなコストやリスクが伴うため、3年ぐらいを見越しておくのがいいだろう。ただし、同じ事業者のサービスであれば、特に設定は変えなくても容量などのスペックを変更できることが多い。

また、ブログなどを用いたサイトを構築する場合、あらかじめMovable Typeなどのブログツールがサービスとして用意されているサーバーを利用することもいいだろう。また、最近ではウワモノサービスを提供するレンタルサーバーも増えてきている。商用のアクセス解析ツールやショッピングカート機能を安価に利用できる場合もあるので、有効に利用するといいだろう。

ただし、企業サイト用にレンタルサーバーを使う場合には、サーバーの安定性やセキュリティ、サポートなどの重要度が高まることを忘れてはいけない。個人情報を扱うコマースサイトなどでは特に注意が必要だろう。

CSS/ウェブ標準化

効率よく運用するためには、HTMLの記述にも注意を払おう。現在はCSSを利用した作り方が主流になっている。CSSを用いることで、HTMLの内容がより論理的になり、検索エンジンから適切にサイトを理解される効果が見込める。また、デザインの変更やコンテンツの更新が容易になるメリットもある。ただし、CSSを用いたHTML記述は更新時の難易度も上がるために、サイト設計時に対応できるかどうかを制作会社などと検討する必要がある。

※この記事は、『Web担当者 現場のノウハウ vol.1』掲載の記事です。


長谷川敦士

長谷川 敦士
株式会社コンセント 代表取締役社長。情報アーキテクチャを背景に、ウェブサイトを中心とした企業のコミュニケーションや情報プロダクト開発におけるデザインを解決する。


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