長崎・佐世保発砲

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佐世保乱射:自殺の容疑者、友人らに誘い出しメール

 長崎県佐世保市で起きた散弾銃乱射事件で、自殺した無職、馬込政義容疑者(37)が事件前、中学・高校の同級生の友人らを現場の「ルネサンス佐世保」に来るように携帯のメールなどで執拗(しつよう)に誘っていたことが分かった。前日の13日にはルネサンスに電話をかけ、死亡した藤本勇司さん(36)ら3人について体験や見学の予約をしていた。同級生の男性(37)は「僕らを道連れにしようとしたのだろうか」。誘い出された友人らは恐怖の瞬間を振り返った。

 この男性によると、馬込容疑者からメールを受け取ったのは13日午前8時46分だった。「正面にプールの見える椅子がいっぱいあるので、楽にして待つ(待て)」などの内容で、馬込容疑者はルネサンスに到着してからの行動についても詳細に指示していた。さらに13日の昼過ぎに今度は電話があり、「行けるか?」と念押しされたという。

 事件の約40分前に、男性はルネサンスに到着。しかし、職員から「会員と一緒でないと中には入れない」と言われ、フロント付近で待っていたところ、迷彩服に身をつつんだ身長180センチほどの大きな男が入ってきた。男性は、この男は外国人に見えたという。

 「バン、バン、バン」。数分後、館内には大きな銃声が響いた。怖くなった男性はあわててフロントから駐車場に戻り、車で屋外に出ようとした。しかし、駐車場の出入り口で警察官から外に出ないように言われ、現場にとどまったという。

 大きな音はすぐに銃声と分かった。男性は瞬間的に馬込容疑者の顔が浮かんだ。携帯電話で連絡を取ろうとしたがつながらず、不吉な予感がしたので、近くの公衆電話から馬込容疑者の自宅に電話をかけた。

 応対した母親から「(馬込容疑者は)『仕事の面接がある』と言って午後4時ごろに外出した」と知らされたが、不安は募るばかりだった。男性は「今にして思えば、あれが馬込だった。友だちも少なく仕事もなくて、あいつはきっと寂しかったのだろう」と振り返ったが、「でも許せない」と怒りを込めた。【錦織祐一】

毎日新聞 2007年12月16日 21時08分 (最終更新時間 12月17日 0時02分)

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