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選挙:衆院選 自民執行部と小泉チルドレン、公認調整で反目

 ◇小選挙区から出馬求める執行部、地盤弱く窮地のチルドレン

 次期衆院選をにらんだ自民党執行部と小泉チルドレン(05年衆院選初当選組)の反目が続いている。元々、選挙地盤を持たないチルドレンに執行部が300小選挙区からの立候補を求め、05年衆院選後に復党した郵政造反組との間の公認調整に決着がついていないためだ。無原則な選挙後の対応がたたった格好だ。【野口武則】

 ◇生き残り

 「どちらかが切り捨てられると党のイメージが悪くなります」

 19日の同党若手衆院議員の会合で、佐藤ゆかり氏(46)が菅義偉選対副委員長に詰め寄った。佐藤氏は05年に岐阜1区から初立候補。野田聖子元郵政相(47)の「刺客」として注目された。当選は野田氏だったが、佐藤氏も比例で復活。その後、野田氏が復党し事態がこじれた。

 同党の岐阜市議24人の大半は野田氏派だ。しかし、同市選出県議では4人中3人が佐藤氏派で、地元保守勢力が割れている。佐藤氏派で党岐阜市支部会長の玉田和浩県議は「2人を生かす」としてコスタリカ方式を提案するが、執行部はこれを否定。公認漏れの場合は全国15の与党「空白区」への転出を迫られる可能性が高く、生き残りをかけた公認争いになっている。

 ◇空白区も苦難

 与党空白区に「生き残りの道を見いだすほかない」(党幹部)とされるのが、05年衆院選に比例代表だけで立候補し当選した14人。ただ、空白区は岩手4区(小沢一郎・民主党代表)らいずれも壁が厚い。杉村太蔵氏(28)=比例南関東ブロック=は空白区の北海道1区に手を挙げた。

 ところがYOSAKOIソーラン祭り組織委員会専務理事の会社役員、長谷川岳氏(36)が同区の公認争いに加わり、誤算が生じた。杉村氏は「私は現職」とけん制するが、地元は長谷川氏を推す声が強く、菅氏らは難しい選択を迫られそうだ。

 ◇女性枠

 比例単独のうち女性枠などでブロック1位に優遇された猪口邦子元少子化担当相(55)ら3人の処遇も焦点。武部勤元幹事長は「自民党は女性の政治参加に積極的な党だと国民に約束した。(今の)執行部も貫いてほしい」と訴える。

 ただ、今回の選対方針は「比例単独は極力絞る」としている。選対方針決定前、猪口氏は2年間の活動実績をまとめた資料を手に菅氏を訪ね、「執行部を信頼しています。すべて対応を委ねます」と訴えた。菅氏は「政治家なんだから自分で政治的判断をするのも必要ですね」と素っ気なく答えた。

 選対は比例上位は集票力が期待できる「目玉候補」に絞る方針で、名簿登載順位を巡る神経戦が当分続きそうだ。

毎日新聞 2007年12月25日 東京朝刊

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