ヘイキ・コバライネンは2004年のレース・オブ・チャンピオンズで優勝したことにより、その名を全世界に知らしめたドライバーだ。その決勝戦ではWRCチャンピオンのセバスチャン・ローブを破るなど素晴らしい活躍を見せた。
コバライネンはカートからキャリアをスタートし、2001年にはイギリス・フォーミュラ・ルノーシリーズに参戦した。翌2002年にはイギリスF3にステップアップ、参戦初年度ながら5勝を挙げ総合ランキング3位という成績を残す。これがルノーの目に留まり、ルノードライバー・ディベロップメント・プログラム(若手ドライバーを育成するプログラム)に参加することになる。
2003年にはルノーがサポートするシリーズ、ワールドシリーズbyニッサンに参戦、総合2位という成績を収め、翌年には見事タイトルを獲得した。その年末には前出のようにレース・オブ・チャンピオンズで大活躍を見せ、2005年にアーデン・インターナショナルからGP2に参戦。
GP2では序盤戦好調をキープしたが、結局タイトルはニコ・ロズベルグのものに。コバライネンはシリーズランキング2位につけた。2005年はルノーのテストドライバーも兼任、チームのダブルタイトル獲得に大きく貢献している。
2006年のコバライネンは、ルノーのテストドライバーに専念。フェルナンド・アロンソのマクラーレン移籍に伴い、2007年はジャンカルロ・フィジケラのチームメイトとして、レースドライバーを務めることになった。
最初の5戦で不振にあえいだコバライネンは、モントリオールでのフリー走行と予選でさらに深みにはまってしまう。しかしながら、レースでは堅実で顕著な走りを見せて4位入賞、コバライネンにとってターニングポイントとなったレースだった。
この結果に自信をつけたコバライネンは、その後の予選でもレースでもパフォーマンスを発揮する。そして、日本GPで2位表彰台に上ったコバライネン。ルノーにとって2007年唯一の表彰台でもあった。
2008年シーズンに向けて、ルノーに復帰するアロンソのサポート役を嫌ったとされるコバライネンとフィジケラ。ルノーはアロンソのパートナーとしてテストドライバーだったネルソン・ピケJr.の起用を発表し、コバライネンはマクラーレンでルイス・ハミルトンのチームメイトを務めることになった。
デビューシーズンを通してルノーで成長を遂げたコバライネンは初勝利、さらにはチャンピオンシップ制覇に向けて新たなシーズンに挑む。