俳優の
松田龍平と
塚本晋也監督が2度目のタッグを組む映画『悪夢探偵2』(12月20日公開)。日本だけでなく世界30ヶ国で上映され高い評価を受けた前作に続くシリーズ2作目では、芳醇な人間ドラマを描きつつ人間の内面に巣食う恐怖に迫る。そんな本作が放つ独特な世界観と映像世界は、息がぴったりとあった2人の信頼関係から作り上げられているようだ。
他人の夢に入る能力をもつ主人公・影沼京一役の松田は、今作でも世の中や周囲の人間に対して心を閉ざす特異なヒーローを演じる。そのリアリティがありながら異彩を放ち、観るものを強烈に惹きつける人間像は、松田だからかもしだせるものかもしれない。今作に挑むにあたっては、松田自身もその役を楽しみにしていたという。
■摩訶不思議なことにリアリティをもたす存在感
一方、『悪夢探偵』シリーズの監督、原作者であり、企画製作の全般を自ら手がける塚本は、『悪夢探偵』は松田あっての作品といいきる。
塚本監督は、松田を「すごい俳優」としながら、前作からの成長ぶりにも言及し絶賛する。一方、松田は、独特の映像表現が注目される塚本監督の撮影現場について、その雰囲気を語ってくれた。
不思議な人という言葉が、その雰囲気にマッチする塚本監督が今作で描くのは“人間の内面の怖さ”と“怖がる人の怖さ”だ。
■自然にたどり着いた、感情を揺さぶるラストシーン
また、毎回明確な映像コンセプトをもって作品に挑む塚本監督の今作のデザインを聞いてみると、夢と現実とのわかりにくさという。
恐怖の連鎖がほかに類をみない世界観を描き出す『悪魔探偵2』。そのクライマックスでは、京一の人間的な一面が描かれ、観るものの感情を揺さぶる。そのシーンについてはお互いに語り合う。
松田龍平:PROFILE
1999年に映画『御法度』(大島渚監督)でデビュー。ブルーリボン賞、日本アカデミー賞、ゴールデンアロー賞など数々の新人賞を受賞。2002年に『青い春』(豊田利晃監督)で主演、その後も『恋の門』(2004年)『NANA』(2005年)『悪夢探偵』(2007年)『アヒルと鴨のコインロッカー』(2007年)『伝染歌』(2007年)など多くの話題作に出演。映画のほかテレビドラマ『ハゲダカ』(2007年)『あしたの喜多善男』(2008年)にも出演。その演技力が高く評価される。 |
塚本晋也:PROFILE
日本大学芸術学部在学中に劇団を主宰。同校卒業後、CF制作会社のディレクターを経て、1985年に劇団・海獣シアターを結成する。1986年に映画制作を再開し、1989年に『鉄男』でローマ国際ファンタスティック映画祭グランプリを受賞。世界中から高い評価を受ける。俳優としても多くの映画、テレビドラマに出演するほか、監督作である『六月の蛇』『悪夢探偵』の小説版を自ら執筆するなど、その活動は多岐にわたる。 |