最終更新時刻:2009年6月6日(土) 10時00分
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仮想マシンにおける標準規格「OVF」、「VirtualBox 2.2」における対応 etc...

公開日時:
2009/06/06 16:26
著者:
Flipper

当エントリにて採り上げています「OVF(Open Virtualization Format)」は、標準化団体DMTFより策定、標準化等が行われている仮想マシンフォーマットにおける標準規格に相当し、3月下旬にVer.1.0の仕様公開がアナウンスされています。今回は、4月上旬にリリースされたアップデート相当のVer.2.2.0より、新たに同アプライアンスのインポート、エクスポートに対応しているマルチプラットフォームデスクトップ仮想化ソフトウェア「Sun VirtualBox」を用いて、エクスポートを中心とした同機能の実践と共に、「OVF」の概要等も併せて簡単に纏めてみたいと思います。

「VirtualBox」における「OVF」サポートは、米国時間5月29日付にてリリースされたVer.2.2.4の段階においてインポート、エクスポート共にウィザードを通じたGUIによる制御に対応しており、何れのプロセスも「File(ファイル)」メニューから呼び出して利用する形となります。以降では、VirtualBox仮想マシンにゲストOSとしてインストールされたオープンソースオペレーティングシステム「ReactOS 0.3.9」を用いて、「OVF」へのエクスポートプロセスを実践してみたいと思います。主な手順は以下の通りとなります(以降には「VirtualBox 2.2.4(現行版)」リリース前に行った実践が含まれておりますが(Ver.2.2.2(Mac OS X版)を使用)、言及している内容に現行版と大幅な相違はない事を確認しております)。

  1. 「File(ファイル)」>「Export Appliance...(仮想アプライアンスのエクスポート...)」を実行し、ウィザードを起動
  2. ウィザード中のリストよりエクスポート対象となる仮想マシンを選択
  3. エクスポート対象となる仮想マシンを選択

    ↑ウィザード中のリストよりエクスポート対象となる仮想マシンを選択(クリックで拡大します)

    ライセンス情報等も包含可能

    ↑ライセンス情報等も包含可能(クリックで拡大します)

  4. 書き出し先を指定してエクスポート

OVF標準では通常、各種リソースがアーカイブされた単一の「OVA(Open Virtual Appliance/Open Virtual Application)」ファイル(.ova)として提供される事となりますが、「VirtualBox」では(Ver.2.2.4の段階において)OVAフォーマットがサポートされていないため、このケースでは、

  • 当該仮想マシンにおける種々の構成情報、及び属性情報等がXML形式にて記述された構成ファイル(.ovf)
  • VMware仮想ディスク(.vmdk)

等が各々個別のファイルとして指定された書き出し先にエクスポートされる事となります(構成ファイルのフォーマットは2009年6月現在、Parallels仮想マシン(.pvs)、VirtualBox仮想マシン(.xml)等においてもXMLが採用されています(Parallels仮想マシンはParallels Server 3.0/Desktop 4.0/Workstation 4.0以降によって生成された仮想マシンが該当))。

尚、「OVF」に準拠した仮想マシンパッケージは構成ファイル、仮想ディスク(.vmdk/.vhd等)の他にもオプションとして、ハッシュ値等が格納されたマニフェストファイル(.mf)、電子署名データ等が格納された認証用ファイル(.cert)等も定義されています。

※「OVF」は「vmdk(Virtual Machine Disk Format)」「vhd(Virtual Hard Disk)」等、対応する仮想ディスクに構成情報等の各種関連リソースを加えてパッケージングしたフォーマットとして既定されており、仮想ディスクのフォーマットではありません。また、上記のケースにおいてVirtualBox仮想ディスク(.vdi)はVMware仮想ディスク(.vmdk)としてエクスポートされる事となります。

「Sun VirtualBox」の他にも、「OVF」に対応したコンバート、オーサリングツールとして米VMwareより「VMware vCenter Converter」「VMware Studio」「VMware OVF Tool」、米Citrix Systemsより「XenConvert Tool」「Kensho OVF Tool」等が提供されていますので、これらのツールも機会がありましたら随時採り上げさせて頂きたいと考えております(「VMware vCenter Converter」は米国時間5月21日付にてリリースされた「Standalone 4.0.1 Build 161434」より、「OVF 1.0」に準拠した単一の仮想マシンイメージのインポートに対応しています)。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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