坂本、アニキになる！「金本さんのように試合に出続けたい」

大阪への移動でプロペラ機に笑顔で乗り込む坂本と松本

　巨人・坂本勇人内野手（２１）が１９日、尊敬する阪神・金本知憲外野手（４２）のような「鉄人」になることを誓った。連続フルイニング出場の世界記録は、金本が前日（１８日）にスタメン落ちし、１４９２試合でストップした。「やってみて難しさが分かるものだと思う」と改めてその偉大さを痛感。まずは今季、自身初となるシーズン全試合フルイニング出場に挑戦するつもりだ。

　アニキの大きさを改めて感じた。この日、空路で大阪へ移動するために訪れた松山空港では、阪神・金本の話題を１面で取り扱ったスポーツ各紙が完売状態。「やっぱり１番の大事件ですからね」。坂本は驚きと寂しさの入り交じった複雑な表情を浮かべた。

　衝撃だった。連続フルイニング出場の世界記録を更新中だった鉄人が、前日の横浜戦（横浜）でスタメン落ち。１２年越しの不滅の記録は１４９２試合でストップした。「やってみて難しさが分かるものだと思います。僕には分からない領域ですよね」と改めて前人未到の大記録だったことを痛感した。

　本当に尊敬している。チームメートとして戦った昨年の球宴では「やっぱりオーラが違います」と驚嘆。同年はフルイニング出場を目標に掲げながら、開幕戦で途中交代させられた。しかも、オールスター直前には、腰痛で３試合欠場していただけに「試合に出ることが、プロにとって一番価値のあることだと思います。僕も金本さんのように試合に出続けていきたいです」と意気込みを新たにしていた。

　だからこそ、今季もフルイニング出場を目標に掲げた。０８年はシーズン１４４試合全試合出場こそ果たしたが、打率２割５分７厘と打力に課題を残し、試合終盤の勝負どころでは代打を送られることもあった。０９年は出だしからつまずいた。ゲームに出続ける条件として指揮官は「チームとしての最善策ということ。勝利第一か？　それ以外に何があるんですか」と強調。走攻守すべてにおいて高いレベルのプレーが要求される。

　３度目の正直となる今年、機は熟した。トップバッターとしての勝負強さは増し、現在は１９試合連続安打と自己記録を更新中。遊撃の守備での安定感も抜群だ。盗塁数は早くも昨季の５個に並ぶなど走塁面での成長も著しい。どんな時でもチームにとって必要な存在となっている。今季、２０試合を消化した時点で、フルイニング出場を続けているのは坂本だけという事実が、存在感を物語っている。

　まだ２１歳と若い。巨人の顔として、これから金本の偉大な記録を追いかけていく資格が、坂本にはある。アニキのような試合に出続けられる選手になりたいかと問われた勇人は「選手ならみんなそう思っていると思います」と迷いなく言い切った。まずは今季、いかなる時も戦場に立ち続けてみせる。