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2009年は、原辰徳監督(50)率いる日本代表と巨人に大きな注目が集まります。WBC連覇を狙う侍ジャパンは、世界の中でどの程度の実力を擁するのか。また、原巨人は「V9」以降では初となるセ・リーグ3連覇を果たせるのか。アテネ五輪日本代表の監督も経験したミスタープロ野球・長嶋茂雄さん(72)=報知新聞社客員=が、「新春スペシャルインタビュー」で09年の球界を2回にわたって語り尽くします。第1回は侍ジャパン連覇の可能性です。
―日本代表の1次候補が発表されました。侍ジャパンの33人を見た印象は?
「その名の通り、サムライが集まった感じがしましたね。ええ、いいメンバーです。全体のバランスを見ると、世界一になった前回メンバーよりも、今回の方がいいような気がしますね」
―投手陣から伺います。
「ピッチャー陣は最高ですね。世界と比較してみても、日本投手陣はレベルはトップクラスでしょう。質量ともにです」
―エースは松坂ですか?
「松坂は日米での実績と五輪など国際経験の豊富さを持ち合わせていますからね。コメントなどを聞いていても、日本代表の若い投手陣を引っ張っていこうという気概も感じますからね」
―長嶋さんは、日本代表の監督をされている時、選ばれた選手たちへ「これから野球の伝道師になってほしい」と話されました。松坂はそれを実践しているようにも理解できます。
「伝道師ねぇ。確かに言ったねぇ。懐かしいなあ(笑い)」
―打線の中心はイチロー。前回のWBCでは1番と3番を任されました。『長嶋監督』ならどちらで起用しますか?
「イチローは一人で打線の流れ、試合の流れをつくれる選手。だから1番に置いて、最初にヒットを打って盗塁してという形で相手投手にプレッシャーをかけていければ、チームにいいリズムが生まれて、クリーンアップの選手も本来の力を発揮しやすいのでは」
―そのイチローをうまく生かすために必要な条件はありますか?
「イチローだけでなく福留、小笠原、川崎、青木らレギュラー候補の多くは右投げ左打ちの選手です。彼らの能力を生かし切るためには、仮に相手チームが強力な左腕投手をぶつけてきても、しっかり攻略してくれる右打者が欠かせません」
―いわゆる“左殺し”を期待できる右は?
「村田は年々、打撃の内容がよくなっています。北京五輪で結果を残せなかったのは、体調が万全ではなかっただけ。内川は昨季、右打者最高の打率(・378)をマークするなど、対応力が非常に高くなった感があります。中島は北京五輪、日本シリーズと大舞台で結果を残しているのが頼もしいですね」
―巨人の原辰徳監督が、侍ジャパンの指揮を執ることになりました。
「NPBのみなさんがじっくりと時間をかけて、非常にいい人選をされたと思います」
―原監督は巨人で指揮を執った通算5年間でリーグ優勝3回、日本一1回と十分な実績があります。
「就任1年目の2002年に日本一になりました。その頃から立派な監督でした。ただ、この間に成長というか、格段の進歩を遂げられていると思いますよ」
―どのあたりですか?
「元々、選手の力を信じたオーソドックスな試合運びで安定した成績を残せる指揮官でした。最近は大胆さが身につき、時にはアッと驚く采配を振ります。その思い切りのよさというのは私を含めた歴代の巨人監督の中でも最高、最上のレベルじゃないですか」
―長嶋監督も超えてますか?
「ええ。ところで算数で1+1は?って聞かれたら、小学校1年生でも2って答えますよね」
―はい。
「ところが野球の世界では1+1が、4にも5にもなることがあるんですよ。選手をいつ、どこで起用するかという状況判断が的確ならば、実力をはるかに超える結果を導けるのです」
―深いお話です。
「昨季の原監督は、1+1=5、あるいは6というような式をつくれたからこそ、13ゲームビハインドからリーグ優勝へ導けたわけです」
―どうすれば1+1が2以上、という式がつくれるのでしょうか?
「1+1=0あるいはマイナスになることを恐れない心境で臨めるかです。すなわち、うまくいかなかったときの結果責任を、すべて監督である自分が引き受けるという覚悟を持てるかどうかです。それさえあれば、果敢に勝負へ打って出ることができるのです」
―その覚悟を備えることは日本代表を率いるうえで役立ちますか?
「非常に大きいですね。舞台が大きくなると、試合運びも慎重になりがちですから。昨年、大逆転したことで指揮官としての自信を持っているでしょうし、恐れを抱かず指揮を執れば、戦力以上の結果を導くこともできるでしょう」
―戦力以上、ですか?
「ええ。北京五輪で1次リーグから9戦全勝で金メダルを獲得した韓国がいい例ですよ」
―前評判は決して高くありませんでした。
「若いチームを金卿文監督が見事な采配で勝利へ導きました」
―確かに。
「たとえば終盤の大事な場面で左投手に対して、左の代打を送って貴重な得点を奪ったりと実に大胆な采配が的中したことで、選手が自信を深め、一戦ごとに強くなっていきました。当初の戦力を用兵で強化してチームに勢いを生んだわけです」
―今の原監督なら同様の期待をしてもいいと。
「そういうことです。もちろん勝負ごとですから、うまくいかないこともあるでしょう。結果はどうなるにせよ、ファンが希望を託すにふさわしい監督、コーチ、選手が集まり、いいチームが誕生しようとしていることだけは間違いありません」
―日本のライバル国について伺います。米国は投打とも著名選手に辞退者が相次いでいます。
「仮にエース級が2、3人辞退しても、それで著しい戦力ダウンするほど、アメリカは人材が不足していません。それだけの底力はあります」
―ドミニカ共和国は打線だけなら米国以上です。
「すごい打線が編成されそうですね。後は投手がどうかですね。とりわけ短期決戦では投手力の重要性が高まります」
―キューバ、韓国はどんなメンバー編成になっても侮れません。
「国際試合慣れしているといいますか、国別対抗戦での試合巧者です。勝つための戦略、戦術が確立されてますから、安定した力を発揮できるんじゃないでしょうか」
―どこも強豪に見えてきます。
「確かに。ただ日本にはプロ野球だけでなく、春、夏の甲子園をはじめ、権威のある大会を勝つため死力を尽くしてきた歴史があります。そのため監督、コーチ、選手、裏方さんまで一人ひとりが、チームのためにどう奉仕できるかを考える習慣と能力がアマ時代から身についています」
―確かに。
「そういう意味で、組織力、結束力も日本の大きな戦力です。大変な戦いになるでしょうが、連覇の可能性だって十分ありますよ」
(2009年1月1日06時01分 スポーツ報知)
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