イチ、「テンション『ガチ』上がり」…松坂と

イチロー（右）は松坂とダッシュ

　３月のワールド・ベースボール・クラシック（ＷＢＣ）日本代表候補のレッドソックス・松坂大輔投手（２８）が５日、神戸市のスカイマークでマリナーズ・イチロー外野手（３５）と初の合同自主トレを行った。

　古巣スカイマークに松坂を迎えた白熱の４３球。１６日から始まるＷＢＣ日本代表合宿を前に実現した“ドリームマッチ”に、イチローは興奮を隠しきれなかった。

　「テンション、ガチ上がりでしたね。ガチガチでした」

　全球ストレートで挑んだ松坂の本気が、イチローを燃え上がらせた。真剣モードに突入した天才打者が１４球目をとらえると、打球は糸を引くような弾丸ライナーになって、マウンド上の松坂をかすめた。

　「あれはちょっと焦った。さすがにここで（松坂が）けがしたら、シャレにならないですからね。ちょっとヒヤッとしました。シーズン中では何てことないけど、さすがに練習ではね…」

　ところが、その後は松坂の球威に押されっぱなし。全３１スイング中、ファウルは実に１２球。１９球目には内角直球に空振りを喫した。２１球目は中前に運ぶものの、バットを根元から折られた。最後までオーバーフェンスはなかった。

　この日朝、同宿していた神戸市内のホテルのロビーにユニホーム姿で現れた松坂を見て、思わず奮い立った。２時間の合同自主トレを終え、眠っていた戦闘意欲は早くも沸点に達したようだ。

　「（この時期の対決に）ぜいたくですね。あり得ないでしょ。まだ松坂選手のテンションには追いつけてないので、僕も宮崎に入る時は、ＪＡＰＡＮのユニホームを着て乗り込みたいと思います」

　ガチンコ宣言のイチローが、再び世界の頂点を目指して「侍魂」を全開させる。