イチロー７戦連続マルチ　メジャー自己タイも無関心

　◆ドジャース１―５マリナーズ（２７日・ロサンゼルス）　マリナーズのイチロー外野手（３５）が敵地でのドジャースとの交流戦に先発。５打数３安打でメジャー自己タイの７試合連続マルチ安打をマークした。両リーグトップの打率は３割７分５厘まで上昇した。

　帰り支度をしながら、７試合連続での２安打以上について報道陣に聞かれると、首を振ってつぶやいた。「みんなが思っている以上に、僕は僕のことを知らないです」。１日にメジャー自己タイとなる２５試合連続安打をマークした時にも「知りませんでしたね」と話していた。両リーグトップの１０９安打を放つ“製造機”からすれば、これらの記録は意に介するほどではないのかもしれない。

　初回、今季１４本目の二塁打を放ち、１０試合連続安打。３回は中堅にライナーを運んだ。「『ダイブしろ』と思った。落としてヒットになる可能性が高いので」。その通り、飛び込んだ中堅手のグラブをはじき、７試合連続、３１度目の複数安打。だが、「日にちをまたいでは別に（気持ちの余裕が）生まれるとは別に思わない」と受け流した。

　守備では３回、２死一、三塁の場面で今季２度目の失策を犯した。不自然な体勢でハーフライナーを捕球にいったが、打球は左太ももに当たった。照明で打球を見失ったのだが、「（打球を）後ろにやらないことだけ。とにかく（失点を）１点で止める、ということ」と説明。一瞬、立ち止まり、崩れるように両ひざを着いたが、できるだけ正面で体を広げて、打球を止める―瞬時の判断で最善の策を講じたのだった。

　「（打球が）見えているならあり得ない。あるとすれば、小学校２年生までの僕か、６０歳でライトをやっている僕のどちらか」とジョークを飛ばし、このプレーを振り返った。２８日の試合の相手先発は黒田だ。ＷＢＣ連覇を達成した縁起のいいドジャー・スタジアム、そして、日本人対決でメジャー自己新の８試合連続マルチ安打を決めたい。