イチロー意欲！松井にワンポイン投！

ノックで華麗なジャンピングスローを見せるイチロー

　マリナーズ・イチロー外野手（３６）が７日、同じア・リーグ西地区のエンゼルスに移籍した松井秀喜外野手（３５）とのガチンコ直接対決に意欲を見せた。この日、神戸市のスカイマークスタジアムで自主トレを公開。「本当に『イチロー対松井』が実現するように、ワカマツ監督に許可を取ってからブルペンに入ります」と、「投手・イチロー」実現の夢プランを明かした。１０年連続２００安打達成に向け、もちろん本業のバットも視界良好だ。

　新春からイチローがビッグサプライズを披露した。今年から同一地区のチーム同士となったエンゼルス・松井との対戦について聞かれた時だ。「よく聞かれますが、直接やり合うわけじゃない」と前置きした上で続けた。「本当に『イチロー対松井』が実現するように、ワカマツ監督に許可をもらってからブルペンに入ります。メッセージを送りました。返事はまだありませんけど」。不敵に笑った。

　２人の対戦といえば、１９９６年のオールスター戦でイチローがマウンドに立ったが、野村監督が松井に代打を送ったことで実現しなかった経緯がある。ピッチングにはこだわりを持つイチローだけに、「９６年はちょっと邪魔が入って実現しなかったけど」と、当時のことはしっかり覚えている。昨年の自主トレでもブルペンで推定１４０キロ台後半の速球を投げ込み、能力の高さを見せつけた。

　昨年はＷＢＣで２大会連続世界一に始まり、大リーグ史上初の９年連続２００安打、日本人初のメジャー通算２０００安打と華やかな記録を築いた一方、胃かいようや左ふくらはぎ痛とアクシデントに見舞われた。「ここまでやっても大きな達成感はないですね。肉体的なこと、知らないことを知ったのも含め、新しいスタートでありたいと思う」。メジャー１０年目の２０１０年に思いを新たにした。

　この日はキャッチボールやノックなどで約２時間汗をかいた。フリー打撃では１２８スイング中４０本がサク越えと、早くも全開モード。今季はピート・ローズ（元レッズ）しか成し遂げていない１０度目の２００安打の記録がかかる。しかし、「やっちゃおっかなあーって思います。アイドル的に」とイチロー流におどけてみせた。

　松井が新加入したエンゼルスとは今季１９試合が予定されている。日本人同士の対決にばかり注目が集まるが、イチローが見据えるのは当然、その先にある２００１年以来となるポストシーズン出場。自らのバットで、必ずチームを引き上げてみせる。

　【０９年２月７日のブルペン入り】ＷＢＣ日本代表候補だったイチローは「遊びじゃないよ」と、スカイマークでの自主トレ中に異例のブルペン入り。「中学からのアウトピッチ（決め球）」と豪語するフォークを３球交え、全５６球を投げた。「ストライクは取れるね。実戦でも抑えられる？　何言っているんですか（笑い）。まあ、抑えられますけどね」