松井、主砲の責任痛感　４番の差で負けた！

タイガース戦の６回無死一塁、捕邪飛に倒れたエンゼルス・松井（捕手・アビラ）

　◆エンゼルス３―４タイガース（２１日・アナハイム）　エンゼルス・松井秀喜外野手（３５）はタイガース戦に「４番・ＤＨ」で先発し、３打数無安打１四球だった。１点リードの８回２死二塁、ダメ押しの絶好機で凡退。直後の９回、守護神フエンテスがタ軍４番のカブレラに同点本塁打を浴びるなど、２失点で逆転された。４番の働きが明暗を分け、連勝は５でストップ。試合後は「（好機で）ヒットになっていれば、展開が変わっていた」と敗戦の責任を背負った。

　手には何も残らなかった。とらえた感触はない。１点リードの８回２死二塁。ダメ押しする絶好のチャンスだった。初回に３点を奪っただけで、２回以降は無得点。松井はバットで嫌な流れを断ち切りたかった。しかし、気持ちだけが空回り。力のない打球が上がった。「当てたような感じになった。振り切りたいところでした」と中飛に倒れ、肩を落とした。

　残すは最終回。救援陣に勝利を託すだけだった。背中の痛みで故障者リスト入りしていた守護神フエンテスが復帰登板。だが、待っていたのは“悪夢の９回”だった。先頭の４番カブレラに左中間へソロを運ばれるなど２失点し、逆転された。その裏、エ軍に再逆転する力は残っていなかった。

　４番の差が出た試合だった。投手の敗因が炎上した守護神ならば、打者は８回のチャンスで凡退した松井。「結果的にヒットになっていれば、展開が変わっていたと思う。残念です」。あと一本が出なかったことを悔やみ、敗因を抱え込んだ。

　打ち取られた相手投手は、昨季ヤンキースで一緒にプレーした左腕コーク。大きく外から中に入ってくるカーブとスライダーを融合させた「スラーブ」で、のけぞらされた。かつての仲間に不格好な姿をさせられるなど、最後まで自分のスイングができなかった。無安打に終わり、７試合ぶりに打率３割を切った。

　打線は追加点が奪えず、守護神がエース・ウィーバーの勝利を消すという後味悪い敗戦。連勝は５で止まった。試合後、松井は「もったいない試合だった」と気持ちを切り替えようと必死だった。松井で勝つ試合もあれば、負ける試合もある。厳しい表情には４番としての自覚が備わっていた。