ヤ軍、松井と交渉は先送り…ウインターミーティング開幕

　【インディアナポリス（米インディアナ州）】ウインターミーティングが開幕し、ヤンキースのキャッシュマンＧＭが、ＦＡとなった松井秀喜外野手（３５）との交渉を先送りにする方針を明らかにした。契約問題の長期化は決定的となったが、他球団も両者の交渉の行方をうかがっており、松井サイドがどれだけ“順番”を待てるかが、今後の焦点となりそうだ。

　同ＧＭは「優先するのは先発投手で、その次は外野手。そしてＤＨ。先発投手はどの球団も欲しいし市場に少ないが、ＤＨの選択肢は多い」と断言。ヤ軍からＦＡとなり再契約間近のペティットら、先発陣の補強を最優先とするが、松井を軽視しているのではなく、移籍市場の戦略の問題と強調した。

　代理人のテレム氏とは２日連続で接触。松井側の意向に反し、あくまでもＤＨ専念の方針を曲げないとしているが「彼がヤンキースに残りたいことは知っている」と同ＧＭは強気の姿勢を崩さない。他球団と契約交渉をせず、ヤ軍との交渉開始を松井が待てるのであれば「残留」の道は開けると指摘した。

　一方で他球団の首脳からは松井を評価する声も挙がっている。エンゼルスのリギンスＧＭは「現段階の優先事項ではないが（松井獲得は）選択肢のひとつ」と話し、タイガースのリーランド監督も「監督としては欲しい選手」とコメント。オリオールズのトレンブリー監督は「彼はとても勝負強い。たくさんの球団が欲しがる」と称賛している。

　いずれにせよ、すべてはヤ軍の出方待ち。松井にとっては、越年も視野に入れた「長い冬」になりそうだ。