松井５号！ヤンキース９連勝に乗り遅れない

５回２死、右越え５号ソロを放った松井秀（捕手・ゾーン）

　◆ヤンキース７―４オリオールズ（２１日・ニューヨーク）　ヤンキースの松井秀喜外野手（３４）がオリオールズ戦で２１打席ぶりとなる５号ソロを放ち、チームの２年ぶり９連勝に貢献した。「５番・ＤＨ」で出場し、５回の第３打席で右翼へ豪快な一発。日米通算４５０号に王手を掛けた。先発・チェンバレンが１回に打球を右ひざに受けて降板するアクシデントもはねのけ、首位へ１・５差に接近。ヤ軍が波に乗ってきた。２２日からは両リーグの交流戦がスタート。ヤ軍は本拠地で昨年世界一になったフィリーズと戦う。

　序盤で大量点差がついた展開。ゲームが中だるみしかけたところで、松井の一発が再び歓声を呼び戻した。先発・イートンの球数が８５球を超えた５回２死。右腕がカウント１―３から苦し紛れに投じた直球を真芯でとらえると、白球は右翼２階席へライナーで消えた。

　「カウントも良かったし、甘い直球を待っていた。真ん中に来たので完ぺきに打ち返した」。２１打席ぶりとなる今季５号ソロは日米通算４４９号。０７年６月以来のチーム９連勝をたぐり寄せるアーチとなった。

　ただ、決して打撃の状態がいいとは言い難い。１回、１死二塁では低めの球を引っ掛けて二ゴロ。３回の第２打席は内角の甘い直球に空振り三振を喫した。９連勝中、１８本塁打、５７打点をマークしている打線の中で松井は２４打数５安打、２本塁打、２打点。貴重な決勝アーチもあったが、上昇のきっかけにはできていない。

　「調子？　よくないでしょう。反省点は多い」と松井も本調子でないことを認める。試合前のフリー打撃で納得がいかず、直後にケージにこもってフォームチェックすることもしばしば。しかし、思うように快音を響かせられないことが、もどかしくて仕方ない。

　故障者リスト入りしているポサダ、ネイディの戦列復帰も近く、ＤＨ専門の松井の出番は制限される。「今は自分のいい状態を早く作り上げることに集中した方がいい。今後どうやっていくかが大切になる」。松井がスタメンを張り続けるには、限られたチャンスの中で結果を出すことが要求されている。