日米プロ１７年で初！松井秀、代打弾！

エンゼルス戦の８回、代打で出場し中越え本塁打を放つ松井（共同）

　◆エンゼルス５―２ヤンキース（２１日・アナハイム）　ヤンキース・松井秀喜外野手（３５）が、プロ入り後初めて公式戦で代打本塁打を放った。３点を追うエンゼルス戦の８回１死、左腕ソーンダースから中越えの２７号ソロ。ここ５戦で３発と、０４年以来２度目のメジャー３０号も視界に入ってきた。チームはリーグ最高勝率を争うエ軍に敗戦。プレーオフ進出マジックは「１」のまま、２年ぶりのポストシーズン進出はお預けとなった。

　プロ１７年目の“初体験”だった。松井が初めて代打でアーチをかけた。１―４の８回１死。初対戦だった左腕ソーンダースの９２マイル（約１４８キロ）の外角の直球をとらえた打球は、大きな弧を描いて中堅の頭上を越えた。いつもとは違うシチュエーションも「基本的にはいつもの打席と変わらないけど、代打でも（本塁打は）うれしいですよ」と、ここ５試合で３本目の本塁打に笑った。

　先発メンバーに松井の名前はなかった。ジラルディ監督は８試合ぶりに休みを与えた。しかし、試合が接戦になると「松井を出してでも勝とうとした」と、リーグ最高勝率を目指す指揮官は切り札として起用。今季は代打で２０打数７安打で打率３割５分だった５５番が、きっちりと結果を出した。

　松井にとってボールをとらえる技術の理想は、球団安打記録を更新中のジーターにあるという。「彼のバットはどんなボールに対しても同じ角度から出ている。内角の球を一塁手の後ろに詰まりながら落とすのが好き。あれはなかなかできない」。内、外角でもボールを体に近いところで、同じバットの入り方でとらえる技術に敬意を表している。

　その“理想型”が今の松井の打席にはある。内角の速球をさばいた２６号、２７号の外角球とともにミートポイントは体に近く、体の開きも抑えられていた。この日のアーチにも「理想のポイントで打っていなければ、あそこまで打球は飛ばない」と自賛した。最近８戦で４発、打率４割２分３厘の数字は高い技術によって生み出されている。

　プレーオフ進出決定は２試合足踏みも、松井はチーム１５１試合目で２７号到達と、３１発だった０４年より３試合早い。残り１１試合で３０号まであと３本。左ひざの手術を受けてから２２日で１年がたつ。大台へのカウントダウンは始まった。