松井　サク越え６本！３連発も出た！！

　【タンパ（米フロリダ州）１４日】米大リーグ１６球団のバッテリー組のキャンプがスタートした。７年目のヤンキースの松井秀喜外野手（３４）も事実上のキャンプイン。ひと足早くバッテリー組のキャンプに合流し、初のフリー打撃。３８スイングで３連続を含む６本のサク越えと、左ひざ手術の影響を感じさせないパワーを見せた。Ｒソックスでは、アマチュア選手で初のメジャー契約をした田沢純一投手（２２）が始動。ブルペンで５３球を投げ込んだ。

　存在感を示す６本のアーチだった。この冬、ティー打撃しかしていないとは思えない松井の弾道。「ボールの行方は気にしてなかったです。気持ちよく振れましたね」昨年９月に左ひざの手術を受けてから初の屋外でのフリー打撃。１０スイングしないうちに１本、サク越えが飛び出すと、その後２０スイングで５発。ゴジラのスイングは徐々に力強さは増し、打球が次々と右翼席に飛び込んだ。

　本来の感覚がよみがえった。松井の豪快な本塁打は安定した下半身から生まれる。昨季は両ひざが万全でなく、フルスイングができなかった。そのためアーチは減少（９本塁打）。ミートのうまさが目立ち、打率（・２９４）だけが残った。しかし今年は違う。「ひざに意識がいくようではフリー打撃はできないと思う」と言い切るほど患部の状態は良好だ。

　メスを入れたひざには細心の注意を払っている。この日の打撃練習で自分の順番が回ってくるまでの短い時間も「予防です。なるべく打撃の合間にいれるようにしています」と屈伸運動をこまめにするなどストレッチを欠かさなかった。手術後であることを感じさせない打棒を、地味な作業が支えている。

　打撃練習を見つめたジラルディ監督は「手術明けということを抜きにしても、いい感じ。左足にも力があった」と絶賛。ロング打撃コーチも「素晴らしい」とうなった。ロッカールームでは数多くの米メディアが松井を囲んだ。

　まだランニングなどは制限されており、もどかしい日々は続く。「何かを（首脳陣に）示したいという気持ちはないです。自分の中では今は慣らし段階なので」と多くは語らなかったが、全３８スイングから背番号５５の契約最終年の今季にかける強い思いが伝わってきた。