松井が特大３号！本塁打、打点チームトップタイで開幕だ！

４回２死一塁、右越えにオープン戦３号２ランを放つ松井秀

　◆ヤンキース８―５フィリーズ（１日・フロリダ州タンパ）　ヤンキース・松井秀喜外野手（３４）が当地でのオープン戦最終戦を、特大の一発で締めくくった。フィリーズ戦に「４番・ＤＨ」で先発出場し、３号２ランを含む３打数２安打。オープン戦３本塁打、１２打点はチームトップタイと４番の貫禄を披露した。敵地での開幕戦（６日・対オリオールズ）が迫り、徐々に状態は仕上がってきた。

　締めくくりは豪快弾だった。強くたたいた打球は右中間最深部に突起している建物の屋根を直撃。それがなければ場外弾という大きな当たりに、ファンの歓声は沸き上がった。「完ぺきな当たりでしたね。チェンジアップが高めに入ってきました」４回２死一塁、フ軍左腕・ハップから、オープン戦３号２ランをたたき込んだ。

　出遅れは取り戻した。昨年９月に受けた左ひざの手術の影響で、他の選手よりオープン戦初戦は９日も遅かったにもかかわらず、３本塁打はテシェーラら、１２打点はスウィッシャーらと並びチームトップタイと“２冠”。２ケタ打点は０５年以来４年ぶりだ。「ひざを気にしながらの日々でしたけど、終わりの時期になるにつれて状態が良くなってきた」としっかりと仕上げてきた。

　誰よりも松井の回復ぶりを喜んだのは、就任２年目のジラルディ監督だった。「手術明けで心配だったが、順調で良かった」昨季は松井、正捕手のポサダ、０７年まで２年連続１９勝の王建民が離脱し、１３年連続プレーオフ進出でストップした。そこで今キャンプは、この３人にたくさんの視線を注ぎ、配慮を施した。「２０連戦になれば休みも与えるが、うちのレギュラーの指名打者」覇権奪回のキーマンに挙げるなど、松井にかける期待は大きい。

　試合前には首に張りを感じ、入念に治療を受けて試合に臨んでいた。「問題ありませんよ」という言葉通り、特大アーチで不安を一掃。「全力で走ったり、全力で普通に野球をするのを１００とすれば、そこまではいっていない」としながらも、「実戦に関してはある程度できたと思う」と総括した。３、４日に新ヤンキー・スタジアムで行われる初試合（対カブス）のため、ニューヨークへ向かった。状態の良さを表すように、松井の足取りは軽かった。