松井秀　新ヤンキー・スタジアムで初打ち８発

新ヤンキー・スタジアムでの公開練習で笑顔の松井秀

　ヤンキース・松井秀喜外野手（３４）が、今季から使用される新ヤンキー・スタジアムで初練習を行った。カブスと行う２試合のオープン戦（３、４日）で感覚をつかみ、１６日のインディアンスとのホーム開幕戦に備える。

　初めて足を踏み入れた感じはしなかった。松井の視界に飛び込んできたフィールドの景色は旧球場と重なった。「ほとんど一緒なので、あまり変わった感じがしないですね」大型の電光掲示板やスコアボードは新設されたが、つくりは８６年の歴史と伝統がつまった旧球場のイメージをそのまま引き継いだとあり、最初の違和感はなかった。

　しかし、約２万人が見つめる公開練習の中、初めてのフリー打撃で瞬時に違いを感じ取った。「多少、バックスクリーンが小さくなっているのが気になる」目の錯覚からか、マウンドと打席の距離が近く感じた。また、ファウルゾーンも一、三塁側とも広くなっているため、打ち損じがアウトになる確率も高まる。「まだ試合で立っていないのでわからない」たった２試合という短い期間で目と体の感覚をつかまなくてはならない。

　もちろんメリットもある。右翼の狭い左打者有利のつくりは変わっていないのだ。打撃練習では２９スイング中、８本のアーチをスタンドに打ち込んだ。「今日だけかもしれませんが、打球が良く伸びましたね」上空に吹く風も左打者有利に働き、次々と放り込んだ。課題も見えたが、調整は順調。新球場の「初代４番打者」として、松井が新たな歴史を刻む。

　◆クラブハウスの面積２倍　○…ヤンキースのクラブハウスも豪華に生まれ変わった。天井も高くなり、約２倍の面積。一部の開幕マイナーの選手を除き、各選手にパソコンを設置。球団からの報告、対戦相手のデータ、球場のチケットの手配などができる。もちろんインターネット、メールの送受信、音楽を聴くことも可能だ。部屋は八角形で松井は角のロッカー。第１希望の場所はリベラと希望が重なったため譲ったが、柱を挟んだ角のロッカーを使用する。「素晴らしい。どの球場にも劣らない」と感心していた。