ヤンキース１イニング１４失点…松井、途中出場復調二塁打も屈辱

　◆ヤンキース４―２２インディアンス（１８日・ニューヨーク）　名門・ヤンキースが歴史的大敗を喫した。インディアンス戦の２回、チーム史上ワーストとなる１イニング１４失点を喫するなど投手陣が崩れ、４―２２と大敗した。これまでの１イニングの最多失点は１９２５年６月１７日、タイガース戦の６回に奪われた１３点。ジラルディ監督は新球場３戦目にして球団史に汚点を残してしまった。なお、松井秀喜外野手（３４）は５回に代打で出場し、右中間二塁打を放った。

　新装となったヤンキー・スタジアムが、容赦ないブーイングに包まれた。チームワーストとなる１イニング１４失点、本拠地ワーストタイとなる２２失点を喫したジラルディ監督は「これ以上の悪い負け方を想像することはできない」と、大きなため息をついた。

　２回、サイズモア、デローサ…イ軍の選手が次々と本塁にかえってくる。３７分間の惨劇だった。開幕から２戦２敗と調子の上がらない先発・王建民が、ＷＢＣ韓国代表だった秋信守に本塁打を浴びるなど、この回途中８失点でＫＯ。２００６、０７年と２年連続１９勝をマークした昨年の開幕投手の防御率は、これで３４・５０となった。２番手としてマウンドに上がったメジャー初登板のクラゲットも、悪い流れを止められず、６失点と炎上した。打者１７人の猛攻を受け、スコアボードには「１４」と数字が刻まれた。

　２２点も取られたのは０４年８月３１日、同じインディアンス戦以来。２ケタ失点は今季１２試合で早くも３度目だ。３回までに１０失点した１３日のレイズ戦は、８回に一塁手・スウィッシャーが登板しており、この日もスタンドのファンから「Ｗｅ　ｗａｎｔ　Ｓｗｉｓｈｅｒ」（スウィッシャーを出せ）の大合唱が巻き起こった。投手の起用法、猫の目のように変わる打順など、ジラルディ采配には一貫性がなく、チームに強さは感じられない状況だ。

　左ひざ痛と不調のため、２試合連続でスタメン落ちをしていた松井は５回、代打で登場。点差が開いたため、早いタイミングで起用され、右腕・カーモナから６試合ぶりの長打となる右中間二塁打を放った。その後も四死球で全３打席に出塁。７回には先頭で小林とメジャー初対戦し、左すねに死球を食らった。

　大差の中での途中出場は寂しいが「真ん中の甘い速球をちゃんと打てた。ひざは２日前はよくない状況だったが、昨日、今日とよくなった。（点差が）どんな状況であっても自分のやることは変わらない」と、前を向き、こう力を込めた。

　◆１イニング最多は１８得点　ヤンキースが１イニング１４失点の球団ワースト記録。大リーグの１イニング最多得点記録は１８８３年９月６日、シカゴ・ホワイトストッキングスがデトロイト・ウルバリンズ相手の７回に挙げた１８点。近代野球といわれる１９００年以降では、１９５３年６月１８日、Ｒソックスがタイガース相手の７回に奪った１７点（日本プロ野球ではセ・リーグで１３点が４度ある）。なお、２回に限ればこの日の１４点がメジャー最多記録だ。また、ヤ軍の１試合２２失点は、２００４年８月３１日インディアンス戦（０―２２）に並ぶ本拠地ワーストタイ（敵地では１９２８年に同じイ軍に２４失点）。