松井秀が呼んだ！ヤンキース最速８０勝、地区Ｖ「Ｍ２９」

　◆ヤンキース５ｘ―２ホワイトソックス＝延長１０回＝（２８日・ニューヨーク）　ヤンキース・松井秀喜外野手（３５）がＷソックス戦に「５番・ＤＨ」で先発出場し、今季１２度目のサヨナラ勝ちに貢献した。延長１０回２死から四球を選んで出塁。代走で交代した後、２死一、二塁からカノが右中間に自身初のサヨナラ３ラン。ヤ軍は３０球団トップの８０勝に到達し、地区優勝マジックも「２９」に減らした。

　降りしきる雨の中、松井はベンチからゆっくり本塁へ進み、歓喜の輪に加わった。「チームはいい状態。こういう試合をとれるんだから」。２点を先行も終盤に追いつかれる嫌な展開。それでもメジャーＮＯ１の本塁打数（１９８本）を誇るチームらしく、最後も豪快に一発で決めた。

　幸運の“儀式”が快進撃を支えている。松井も７月２０日のオリオールズ戦でサヨナラ弾を放った時のように、カノも本塁付近で空に向かってヘルメットを放り投げた。松井は「あの時はみんなが投げろっていうから」と説明したが、落ちてきたヘルメットをゲットすると試合で幸運が舞い込む、とチーム内でゲン担ぎがされている。この日は中堅のカブレラが奪取した。

　７月２３日のレイズ戦で完全試合を達成したＷソックスのバーリーから初回に右前打するなど、４打数１安打で８月は２３安打。今季月間最多安打だ。首脳陣の信頼を勝ち取り、この日で今季最長の９試合連続先発出場も果たした。「僕は結果を出すだけです」と松井。まだまだ暑い夏を終わらせない。