松井先制打！ヤンキース史上最強打線だ２０発７人

　◆ブルージェイズ５―１０ヤンキース（３日・トロント）　ヤンキース・松井秀喜外野手（３５）が敵地でのブルージェイズ戦に「５番・ＤＨ」で出場し、初回に先制タイムリーを放った。この一打が打線に火をつけ、チームは今季初の２試合連続２ケタ得点で快勝。今季５度目の７連勝を飾り、地区優勝マジックを「２２」とした。９回にはポサダが２０号を放ち、２０本塁打以上がチーム７人となり、メジャー最多タイ記録をマーク。２年ぶりの地区優勝に向け、強力打線の勢いは止まらない。

　打った松井が驚いた。初回１死満塁。ブ軍先発左腕・ロメロの外角高めの速球を右前に運んだ。次の瞬間、本塁への返球を急いだ右翼・スナイダーがなんとボールを後逸。一挙に３人が生還した。自分もギアを上げて、三塁へ到達。「（三塁への走塁は）余裕があったので大丈夫でした」と記録は単打だったが、一気に三塁を陥れた“激走”に、思わず笑みがこぼれた。

　失策が記録されたため、適時打は１打点だけとなったが、主導権を握るには十分の先制打だった。ロング打撃コーチは、試合前の打撃練習から松井を絶賛していた。力のあるスイングで右中間スタンドへ打球を運ぶ姿を見て、「ひざがいいこともあり、昨年よりパワーがある。だから２３本もの本塁打が出ているのだと思う」。この安打で昨季の９９を超え、２年ぶりの１００安打をマークした。

　ゴジラが口火を切った試合のフィナーレを飾ったのは捕手・ポサダだった。９回２死一塁で右翼席へとどめの２０号２ラン。ポサダは「みんなに続くことができて良かったよ」と、チーム７人目となる２０発到達を喜んだ。７選手が２０本塁打以上打ったのは０５年のレンジャーズ以来４チーム目で、メジャー最多タイ。ジーターも２０号まであと３本と迫っており、新記録達成は時間の問題だ。

　強力打線が持ち味を発揮し、今季５度目の７連勝をマーク。６試合を残し、ブ軍戦の勝ち越しを決めた。これで地区優勝マジックは「２２」。破壊力のある攻撃陣に「それだけ、本塁打を打てる選手がいるということでしょう」と胸を張った松井。“史上最強打線”の一角を担い、歓喜のゴールを目指していく。