松井「そうなればいいですね」巨人と日米頂点だ

　ヤンキース・松井秀喜外野手（３５）が古巣・巨人の日本一と、ヤ軍世界一の同時達成を願った。２４日、予定されていたエンゼルスとのリーグ優勝決定シリーズ第６戦は雨天中止に。松井は古巣の日本シリーズ出場を祝福しつつ、０３年のヤ軍移籍後、巨人、ヤ軍が同時に頂点に立ったことはないだけに、王手をかけているア・リーグ制覇を改めて誓った。

　雨天中止の一報の前に“朗報”が飛び込んできた。巨人が２年連続３２度目の日本シリーズ進出―ワールドシリーズ制覇を目指す松井の心にも弾みがついた。巨人ファンは巨人の日本一、そして、松井の世界一を期待しているはず。「僕も世界一になるために戦っていますから。そうなればいいですね」と、メジャー移籍後、ヤンキース、巨人がともに頂点に立つことを願った。

　一戦ごとに流れが変わる可能性がある短期決戦を制するポイントは「一戦一戦の気持ちの切り替え」という。松井が最も印象に残っている日本シリーズは１９９４年、初めて出場した西武との一戦だった。その時の経験が、松井の中で生かされている。

　「確かあの時は初戦を０―１１で負けたんだけど『どうってことない』っていう気持ちで次の日、試合に入った。そうしたらマキさん（槙原寛己投手）が翌日、完封して勢いがついた」

　このシリーズ、２完投勝利でＭＶＰとなった槙原の活躍などで４勝２敗と西武を倒し、長嶋監督は初の日本一に輝いた。「だから、一度負けたくらいでは何ともない、って思うようになった」と、素早く気持ちを切り替えることの重要性を説いた。

　この日のニューヨークは、試合開始時刻の午後８時に近づくにつれて雨脚が強くなり、雷鳴も響いた。中止決定後、松井は室内で打撃練習。試合のなかった前日はしっかり休養していただけに「さすがに２日間、何も動かないと、ちょっと影響が出るかもしれないので、今日はちゃんと打った。明日、仕切り直しだね」と次戦へ向けて気持ちを切り替えた。「６番・ＤＨ」で出場予定の第６戦。古巣の吉報を力に変えて、ワールドシリーズへの切符を手に入れる。