松井、ヤンキース残留へ動いた…ウィンターミーティング

　ヤンキースからＦＡとなった松井秀喜外野手（３５）とヤ軍が、“本格交渉”をスタートさせたことが８日、分かった。松井の代理人Ａ・テレム氏が、今ウインターミーティング２日目で初対面となったＢ・キャッシュマンＧＭに、古傷の左ひざの診断結果を報告した。今月３、４日にオーナーのスタインブレナー一家を交え編成会議を行ったばかりだが、松井についてオーナー側と改めて協議することも検討。条件提示はないものの、静かに交渉が動き出した。

　ウインターミーティング２日目、ヤンキースと松井サイドの“交渉”がスタートした。会場に姿を見せた代理人のテレム氏は「いい話し合いができた」と説明。会談の内容について明言は避けたものの、今会議で初顔合わせとなったヤ軍のキャッシュマンＧＭと、松井について条件面以外で具体的な話し合いを持った。

　まずは、左ひざの状態についてだ。昨年９月に手術を受けた患部の診断結果を把握するテレム氏が、キャッシュマンＧＭに口頭で内容を伝えた。前日、同ＧＭは「（松井の左ひざの）診断書はチームドクターが持っている。私は持っていない」と目を通していないことを明かしていた。代理人から、ひざの状態は良好で、もう今後に手術の必要性がないことを伝えられ、同ＧＭはチームドクターに執刀医であるロデオ医師へ連絡させ、ヤ軍側の所見を明確にしていく。

　キャッシュマンＧＭは会談後、「テレム氏にいくつかの質問をして、重要な情報を得た。それをもとに、球団スタッフやオーナー一族と話をしたいと思う」と明言。先週末に米フロリダ州タンパでＧ・スタインブレナー筆頭オーナーらと会議で、編成方針や予算を決めたばかり。左ひざに関する“公式文書”など、両者の会談で報告すべき検討材料が見つかったようだ。

　そんな中、移籍市場が大きく動いた。ヤ軍がタイガースで今季３０本塁打、２０盗塁をマークしたグランダーソン外野手をＤバックスを含めた三角トレードで獲得することで基本合意した。チームは来季、同選手を中堅に置く予定。外野手が加わることで、ＦＡとなっている松井とデイモン、２人の外野手がそろって残留する可能性はほとんどなくなった。松井が契約延長したとしても、ＤＨでしか起用されない形となった。

　松井の残留交渉はＦＡとなった先発左腕・ペティット、デイモンの次とされてきた。金額や契約年数にたどりつくまで時間がかかりそうだが、決して後回しにされているわけではない。交渉は慎重に進められていく。