ヤンキースＧＭが初めて松井の起用法具体案

　【インディアナポリス（米インディアナ州）１０日】ヤンキースからＦＡとなり、米カリフォルニア州で自主トレ中の松井秀喜外野手（３５）に対し、ヤ軍のＢ・キャッシュマンＧＭは今オフ、初めて松井の具体的な起用法を明かし、残留交渉を続ける方針を示唆した。

　ヤンキースのキャッシュマンＧＭは、松井残留に前向きな姿勢を見せた。「松井を残すということになれば、ＤＨか代打要員。どちらで使うかは（ジラルディ）監督次第」。今オフ、初めて松井が打線に戻ることを想定した起用法を口にした。

　同ＧＭはこれまで、松井について「外野手ではなく、ＤＨとしてしか考えていない」の一点張りだった。だが、大リーグ首脳や代理人が勢ぞろいする会議の最終日になって初めて、来季の戦力として検討した具体的な考えを示した。

　エンゼルスが松井獲得に本気の姿勢を見せる中、ヤ軍も残留へ動いていることを強調した。「彼がウチの選手でいたことを非常に誇りに思っているし、その関係を続けるかは今後分かること」とし、「まだ決断は下していない。もし残留交渉を断念すれば、そう発表する」と、今後も交渉を続けていくと明かした。

　資金不足で獲得競争から撤退したＷソックスの球団幹部の一人は「マツイは残留濃厚」とＦＡ市場に流れる情報を吐露した。「選手の金銭面の要求を把握し、こちらの予算も加味して、正しい選択をしたい」とキャッシュマンＧＭ。同じ外野手のデイモンとも交渉を始めたヤ軍。時間はまだかかるが、松井のヤ軍残留への道は閉じてはいない。