松井ｖｓイチロー対戦１９試合　ア西地区覇権は日本人が握る！

試合前に談笑する松井（左）とイチロー（２００５年５月９日）

　ヤンキースからＦＡとなった松井秀喜外野手（３５）が１４日、ア・リーグ西地区３連覇中のエンゼルスと１年６５０万ドル（約５億７８５０万円）で契約することになった。すでに合意しており、近日中に身体検査を受けた後に問題がなければ、正式発表される。

　松井が移籍したエンゼルスはア・リーグ西地区で３連覇中で、イチロー外野手（３６）所属のマリナーズ戦は１９試合組まれている。日本のファンが期待する「松井ＶＳイチロー」が、これまでの９試合から大幅に増える。

　これまで松井が在籍していたヤンキースは、同じア・リーグながら地区が異なったため、両選手の活躍だけが注目だった。しかし、来季から同じア・リーグ西地区で覇権を争うライバルとして激突する。日本が生んだ最高の打者２人の一挙手一投足が、ペナントレースを大きく分けることになる。

　マ軍は今季もエ軍相手に９勝１０敗、このカードで勝ち越したのは０３年が最後。最近６年間でエ軍が５度地区Ｖを果たした一方で、０１年を最後に８年間もプレーオフから遠ざかっているマ軍は４度も地区最下位に低迷する要因でもあった。

　しかし、今オフはズレンシックＧＭが「先発投手、内野手の補強」を宣言。ウインターミーティングで、ライバルのエ軍から今シーズンも４２盗塁したフィギンス内野手を総額３６００万ドル（約３２億円）で獲得。ワカマツ監督が目指す機動力野球充実のため、イチローとの快足コンビが成立した。

　そして、この日はエ軍のエース右腕ラッキーがＲソックスと５年契約で合意したのとは対照的に、マ軍は昨年２２勝したサイ・ヤング賞投手でフィリーズのリーを、ブルージェイズの右腕ハラデイ投手がからむ三角トレードで獲得したと報じられた。７月にインディアンスからフィリーズに移籍し、ポストシーズン５試合で４勝０敗と大活躍した左腕を手に入れたことで、今季１９勝でタイトルを手にした２３歳の“キング”ヘルナンデス投手と、メジャーを代表する左右の両輪がそろった。

　シアトル・タイムズ電子版も「エンゼルスは（ラッキーを失って）パニックになっている。ア・リーグ西地区の力関係が動いた」と報じた。松井とイチロー、エンゼルスとマリナーズ。どちらがア・リーグ西地区で主導権を握るのか。