松井秀、２・２４「赤ゴジラ」デビューへ

旅行客でごった返す成田空港に凱旋したエンゼルスの松井

　エンゼルス・松井秀喜外野手（３５）が来年２月２３日（日本時間２４日）に「赤ゴジラ」として新天地のユニホームに袖を通した姿をお披露目することが３０日、分かった。来季は２月２２日に球団のメディカルチェックからチームに合流し、翌２３日（同２４日）に野手組キャンプがスタート。慣れ親しんだ背番号５５をつけてエ軍の一員としてメジャー８年目のシーズンをスタートさせる。この日、ニューヨーク発成田行きの日航機で帰国した松井は、凱旋記者会見を行い、激動の１年を振り返った。

　旅行客でにぎわう師走の成田空港ロビー。姿を見せた松井は約３００人からの温かい拍手に包まれた。２月６日に日本をたったときと所属するチームは変わったが、ヤンキースをワールドチャンピオンへ導いた栄光が色あせることはない。「温かい言葉もかけていただきました。非常にうれしかった。今年は結果的に良かったので、素晴らしい一年になりました」。千葉県内のホテルで行われた凱旋会見では最初にファンへの感謝を口にした。

　今年は昨年９月に受けた左ひざ手術の影響でオフのトレーニングは走ることからのスタートだった。キャンプでは練習メニューを制限された。シーズン中は守る機会は与えられず、スタメン落ちも味わった。それでも渡米７年目にして自身初となるワールドシリーズ制覇、ＭＶＰを獲得した。「１年間、体調が万全でない中でプレーできた。オフは１００％に近い形で走れるよう、目指してやっていきたい」と来季の完全復活を予告した。

晴れやかな表情で会見した松井

　早くも視線は来季に向けられていた。「７年間、ニューヨークでの思い出はある。でも今は精いっぱい、エンゼルスのために戦うという気持ちしかない」と断言した。来年は２月２２日のメディカルチェックからエ軍の一員として、新たな１年がスタート。背番号５５をつけた“赤ゴジラ”のお披露目は翌２３日。新しいユニホームを身につけ、「ＤＨ」専任だった今季からステップアップし、外野のポジションをつかむという新しい目標へ向けたアピールが始まる。

　オープン戦の初戦は３月５日、エ軍のキャンプ地であるアリゾナ州テンピでロッキーズ戦が予定されている。松井はオープン戦もできる限り、多くの試合に出場したい意向を持っており、初戦から万全の態勢を整えるつもり。エ軍のソーシア監督も松井を４番で起用する方針を固めており、早ければ３月５日に「４番・松井」として“エ軍デビュー”となりそうだ。

　今後は実家のある石川・能美市に帰省し、シーズンの疲れを癒やす。帰京後はトレーニングを中心に行う。「来年の守備の自信を持ってできるように準備したい」。２００９年の栄光は胸にしまい、新たなシーズンへ動き出す。