松井が雄星にエール「野球のことだけ考えれば大丈夫」

　エンゼルス・松井秀喜外野手（３５）が３１日、都内で取材に応じ、雄星に“ゴジラ道”のススメを説いた。雄星同様、自身も星稜高から巨人に入団したての頃は、ほとんど服を持っていなかった過去を明かし「僕もプロに入って、東京に来てから服を買いました。野球のことだけしっかり考えておけば大丈夫」と力強い言葉を贈った。

　松井は素朴すぎるルーキーの気持ちを、よく分かっていた。雄星が私服を一着も持たず、入寮したことが騒がれたが「高校生は学生服とユニホームしか着ていないのだから。（服を買うのは）これからでいい」と一刀両断。野球以外のことに気をとらわれず、プロの王道を歩めと激励した。

　事実、松井も９３年の入寮時、急ぎ購入したとみられる「ダブルのスーツ」に「セカンドバッグ」という若者離れしたファッションセンスを披露。その無頓着さが、大物ぶりを引き立たせた。

　雄星のことは、以前から何かと気にかけていたという。夏の甲子園の最中には、球場のクラブハウスで「菊池君はどうだった」と試合結果を気にすることも。巨人ファンだった雄星が東京ドームを訪れ、松井の本塁打に魅了されていたことを知らされると「わざわざ、岩手から来てくれていたんですね」と驚いた様子だった。

　「注目されることはいろいろ大変だけど、なかなかそういう選手は出てこない。すごい投手になれると思います」。自分と同じ“におい”のする後輩を、松井は遠い米国から見守っていくつもりだ。