松井エンゼルス初打点！「今日はいい日」

カブス戦の試合前、外野で福留と談笑する松井

　◆オープン戦　エンゼルス７―８カブス（１４日・アリゾナ州テンピ）　エンゼルス・松井秀喜外野手（３５）が、移籍後初となるタイムリーを放った。カブスとのオープン戦に「４番・ＤＨ」で先発出場。２回１死一、三塁の第２打席で中前へはじき返し、初打点を挙げた。エ軍は外野手の故障が続出。松井は守備への意識も高まっており、「外野手」としての早期復活が急務となる。

　描いていたイメージと体の動きが、ようやく重なった。「投球に対して自分が崩されなかったですね」。２回、９人目の打者として立った第２打席。松井はカ軍右腕のウェルズの直球を詰まりながら中前に運んだ。１０打席ぶりとなるオープン戦２本目のヒット。ビッグイニングを演出する６点目の適時打となった。「今日はいい１日になりました。結果は出ないよりは出た方がいいですから」とエ軍での初打点に言葉も弾んだ。

　ワールドシリーズＭＶＰとはいえ、約２か月も生きた球から離れていれば、なかなか本調子には戻らない。オープン戦で投手との“駆け引き”が始まっても「全くボールが見えていない」とメジャー投手独特の手元で動く球に苦労している。オープン戦５試合目にして、ようやく投手との間合い、変化球の読みなど、実戦感覚が戻りつつある。

２回１死一、三塁、中前へタイムリー打を放った松井

　打線が機能し始めた一方で、エ軍は外野の守備陣が“緊急事態”に陥った。「２番・右翼」で先発予定だったアブレイユが右脇腹痛を訴え、出場を回避した。軽症とみられているが、試合開始を待たずに引き揚げたのが気になる。代わりに入った外野のスーパーサブで俊足のウィリッツも右太もも裏を痛め、途中退場した。外野手のアクシデントが重なり、首脳陣は頭を抱えている。

　外野手２人の離脱によって、松井の守備復帰が期待されるが、ローニキー・ベンチコーチは「松井の復帰が早まることもないし、右翼で出場させることもない」と言い切った。守備復帰のタイミングは本人の判断に任せるという基本方針に変更はないようだが、チームが危機となれば、松井もゆっくり調整を進めるわけにはいかない。

　普段は試合前、自軍の選手がフリー打撃をしている最中に、左翼で打球を追っているが、この日は「（右翼の）ボビー（アブレイユ）がいなかったから」と自主的に右翼で練習。指示はなくても、あらゆる場面を想定した危機管理で、不測の事態に備えている。打撃だけでなく、守備の意識も高まりつつある。

　◆ドジャース戦を録画中継　ＮＨＫ衛星第１が１６日午後７時１０分から、エンゼルス対ドジャースのオープン戦を録画中継する。松井の移籍で注目されるエ軍にとって、ド軍はロサンゼルスでのライバル。敵将はヤンキース時代の“恩師”でもあるＪ・トーレ監督。話題が豊富で、放送が決まった。