６４５日ぶり　松井守る…ドジャース戦で「左翼」復帰

外野守備練習を終えてボールを集める松井（中央）らエンゼルスの外野陣（左からアブレイユ、ハンター、一人おいてウィリッツ）

外野守備練習を行う松井

　【テンピ（米アリゾナ州）】エンゼルス・松井秀喜外野手（３５）が２２日に行われるドジャースとのオープン戦で６４５日ぶりに外野守備に就くことが、分かった。ヤンキース時代の２００８年６月１５日、インターリーグ・アストロズ戦以来となる実戦での守備は、ヤ軍時代の恩師である敵将・トーレ監督の前でのお披露目となる。「ＤＨ専任」と決めつけられたヤ軍から、守りに就くため移籍を決断した松井が、ついに「左翼」へ復帰する。

　こだわり続けた場所にようやくたどり着く。キャンプ初日から左翼復帰へ向けて、精力的に練習を積んでいた松井に首脳陣が、ついに“ＧＯサイン”を出した。

　チーム本隊はロッキーズとのオープン戦のため、アリゾナ州トゥーソンへ遠征。松井は帯同せずにジャイアンツ傘下３Ａフレズノとの練習試合を行った。首脳陣はこの日の試合前練習を外野復帰への“最終関門”と位置づけていた。ソーシア監督が不在だったため、代わって練習を見守ったハッチャー打撃コーチが「（ひざに）悪い影響は出なかったから全く問題はない」と遠征先の指揮官らに報告。試合後のスタッフミーティングで２２日・ド軍戦での外野起用が正式に決まった。

　松井は２日続けてＤＨ制のないナ・リーグ球団との遠征メンバーに入らず、キャンプ地・テンピで調整。２２日もナ・リーグのド軍戦（グレンデール）が行われるが「遠征には今のところ行く予定です」と明かした。対するド軍監督はジョー・トーレ氏。松井がヤンキースに入団した０３年から５年間、仕えた恩師の前で０８年６月１５日のアストロズ戦以来、６４５日ぶりとなる守備復帰を果たすことになる。

　昨季は一昨年に手術を受けた左ひざの影響で、一度も守備に就くことはなかった。一貫して「ＤＨ専任」という考えを変えなかったヤンキースと決別。外野への挑戦を受け入れてくれたエンゼルスを選んだ。オフの契約交渉で年数や金額にこだわらなかった。すべては守備に就くためだった。復活へ向けた大きな一歩。我慢の時を超え、松井が居るべき場所に帰ってくる。

　◆０８年６月が最後　渡米後の松井の外野出場数は、０３年１５９試合、０４年１６２試合、０５年１４２試合。右手首骨折の０６年は３６試合にとどまったが、０７年も１１２試合守った。しかし、ひざの故障が慢性化した０８年は、初めてＤＨでの出場数（６６）が外野手出場（２３）を上回り、昨年は一度も守らず。０８年６月１５日、インターリーグでのアストロズ戦で左翼に就いたのを最後に、公式戦、オープン戦を通じて外野守備についていない。