松井「やりやすい」２年ぶり守って一発！

５回１死、４号ソロを放った松井に、スタンドのファンも立ち上がって大喜び

　◆エンゼルス４－５タイガース（２２日・アナハイム）　エンゼルス・松井秀喜外野手（３５）が、自己最速ペースとなる４号ソロを放った。タイガース戦に「４番・左翼」でフル出場。２点を追う５回１死、先発バーランダーから９６マイル（約１５４キロ）の直球を中越えに運んだ。今季２試合目の外野でのスタメンで、０８年５月１３日のレイズ戦以来７０９日ぶりに、守備に就いた試合で一発を放った。５打数２安打１打点で、メジャー通算１０００安打にあと４、日米通算１５００打点にあと３と迫った。

　追い求めていたのは、このリズムだった。５回１死。中堅より、やや左へ放物線を描いた松井はダイヤモンドを回りながら、こう思っていた。「ずっとグラウンドに居るっていうのは、やりやすい」。エンゼルスの一員として放ったこれまでの３本塁打は、すべてＤＨでの出場。守備に就いた試合で打った４号ソロは、格別な味がした。

　守備に就いた試合での一発は約２年ぶり。守備にこだわるのは、試合の雰囲気を肌で感じ、緊張感を維持したいからだ。指名打者は自分の打席が来るまで、一度、試合を離れてしまう。「気持ちの持っていき方が難しい」とＤＨなりの苦悩があった。前回、守備に就いた８日のツインズ戦では最後の４打席目で左前安打。なかなかリズムをつかめなかったが、この日は違った。

メジャー通算１０００安打まであと「４」とする中越え本塁打を放った

　初回の守備から戻った松井の集中力は、いつも以上だった。第１打席、痛烈な右前安打で好機を演出。チャンスを広げ、同点となる２点につなげた。圧巻だったのは５回の一撃だ。相手は昨季１９勝でリーグトップタイだった剛腕バーランダー。際どいコースを突いてくる１６０キロ近い剛球をファウルでかわし、粘った１０球目。松井は「最後に甘くきましたね」と失投を強調したが、９６マイル（約１５４キロ）を計測した外角低めの直球だった。「あまりあっちの方にはいかないんですけどね」という中堅より左へ叩き込んだ。

　打撃に良い影響を呼んだ守備だが、試合勘はまだ鈍かった。初回１死一塁からオルドネスの放った打球は松井の左を抜けた。クッションボールを処理しようとしたが、ボールを握り損ねた。「慌ててしまった」と一塁走者の生還を許した。１３試合ぶりの守備では打球を６度処理した。「今日はたくさん飛んできましたね」と苦笑いを浮かべた。

１回１死一塁、オルドネスの二塁打の打球処理にもたつく

　１７試合で４本塁打は、０８年の２３試合を抜いて、メジャー自己最速ペース。３１本塁打した０４年は３４試合目。今後のアーチ量産に期待がかかる。メジャー通算１０００安打まであと４、日米通算１５００打点もあと３に迫った。２３日からは本拠地に貯金７と好調なヤンキースを迎えて３連戦。「ヤンキースは状態がいいですから。何とか止めたいですね」。節目の数字は古巣の前で飾りたい。