松井、デイモンに刺された

　◆タイガース３ｘ―２エンゼルス（１日・デトロイト）　エンゼルス・松井秀喜外野手が「４番・ＤＨ」で出場したタイガース戦で、昨年ヤンキースで同僚だったタ軍の左翼、ジョニー・デイモンに補殺をお見舞いされた。さらに、デイモンの劇弾でチームは今季初のサヨナラ負け。地区首位タイから陥落し、１週間ぶりに借金生活へ逆戻りとなった。

　２―２の６回２死一、二塁。二塁走者の松井は、リベラの左前安打で迷わず三塁を蹴った。左翼・デイモンの肩の弱さは、よく知るところ。ひざの状態が１００％でなくても悠々セーフ…と思ったら、本塁にワンバウンドの好返球が来た。

　「（足が）入ったと思いましたけどね」ゴジラのスライディングは捕手の股（こ）間を割ったように見えたが、判定はアウト。ソーシア監督の猛抗議もむなしく勝ち越し点を逃し、デイモンには「（強肩の）イチローへの安打だったら、松井も三塁で止まっただろうけどね」と皮肉られた。

　ヤ軍では、そろって「外野守備に不安」とのレッテルを張られ、ともに新天地を求めた。そんな左翼手に今季２個目の補殺を献上。デイモンにできるなら、松井にだって…。「彼に刺されたことが、俺の（守備への）励みになる？　失礼だよ、ジョニーに！」。だが、内心では、自分も守備機会が多くあれば―と燃えたはずだ。

　期待のバットは、「打撃の状態というより、ボールへのアプローチがよくない」と１安打。日米通算１５００打点に王手で足踏みする間、９回にはデイモンがサヨナラのタ軍１号。攻守に活躍した“さよならジョニー”。今の松井が求める理想の姿が、そこにあった。