松井ビーム！２年ぶり補殺「最高、一番の見せ場」

　◆レッドソックス３―１エンゼルス（５日・ボストン）　エンゼルス・松井秀喜外野手（３５）が、敵地でのＲソックス戦で２年ぶりの補殺をマークした。「５番・左翼」で出場し、７回に左前安打をつかんで素早く本塁に返球した。打席ではすべて内野ゴロの３打数無安打で、日米通算１５００打点は５試合連続でお預け。５月５日は背番号５５の“ゴジラの日”だったが、チームは６連敗で借金は今季最多の５となった。

　猛然とチャージした。１点ビハインドの７回１死一、二塁。２試合ぶり今季４度目の左翼で先発出場した松井は、レ軍・ユーキリスの左前安打に果敢なダッシュを試みた。捕球するや、素早く本塁にダイレクト送球。ワンバウンドの返球は三塁側にそれたが、捕手・ナポリがミットに収め、走者のスクタロをタッチアウト。「外野手としてはホームで刺すのは最高、一番の見せ場と言っていいぐらい。うれしいですよ」。レ軍の追加点を阻む好プレーに胸を張った。

　２年ぶりの快感だった。ヤンキース時代の２００８年５月２３日のマリナーズ戦。８回１死三塁から左飛をつかみ、本塁で三塁走者を刺して以来、２年ぶりの補殺を記録した。昨年はヤ軍でＤＨでしか出場できなかったこともあり、新天地に飛び出した。外野手の誇りと存在価値を示すと、ベンチでナインとハイタッチ。古傷のひざについて５５番は「だいぶ気にする割合は減ってきている気がする」と実感を口にした。

　前日（４日）は左翼のリベラがクッションボールの処理にもたつくなど、拙守が目立った。ヤ軍時代に同地区だったレ軍本拠地での守備は、松井にとって慣れたもの。２試合ぶりの左翼は、球場入り後に聞かされたが、ソーシア監督に「松井は経験が豊富だからね」と期待されての起用に応えてみせた。

　バットでは３打席とも引っ掛けた内野ゴロと、日米通算１５００打点も王手から５試合も足踏み。低調な打線は２安打で３年ぶりの６連敗。「自分自身に問題がある。何とか抜け出したい。長いシーズンは打てない時期もあって当然。でも、チームの勝利につながらないのがね…」。６日は松坂を打ち砕き、チームの連敗も食い止めたい。

　◆ガルシアパーラ始球式にジーン　〇…元レ軍内野手のＮ・ガルシアパーラ氏が、始球式を務めた。９７年にア・リーグ新人王、９９、００年に同リーグの右打者では６０年ぶりとなる２年連続首位打者を獲得。３月１０日にレ軍とマイナー契約した上で引退を発表。同学年で星稜高時代に高校日本代表として対戦した松井も「高校時代に一緒にやってますから」と感慨。