松井、星稜高の後輩本田へ「まだまだ先がある」

レンジャーズ戦で１安打し、チームの勝利に貢献した松井。本田には「感じるままに頑張ってほしい」とエールを送った（共同）

　◆エンゼルス６―５レンジャーズ（２９日・アナハイム）　エンゼルス・松井秀喜外野手（３６）が、サッカーＷ杯でベスト１６と健闘した日本代表で石川・星稜高の後輩である本田圭佑に、ねぎらいの安打を贈った。本拠でのレンジャーズ戦に「５番・ＤＨ」で先発し、４打数１安打。４試合連続安打をマークし、チームの勝利に貢献した。

　「これからまだまだ先がある選手。ベストを尽くし、日本のため、チームのため、彼が感じるままに頑張ってほしい」。世界を驚かせた異端児へ、ゴジラなりのエールを送った。パラグアイ戦は米西部時間の午前７時キックオフで、生中継は見られなかったが、「互角に戦っていたわけでしょ、ＰＫになったってことは。それぞれ目標に向かって再出発してくれるんじゃないですか」。また４年後に期待を込めた。

　自身は昨年までエ軍のＤＨを務めたレ軍・ゲレロと対決。前任者に１６号２ランなど２安打３打点とパワーを見せつけられたが、チームの勝利は譲らなかった。

　スタンディングオベーションで迎えたエンゼル・スタジアムの観衆に、ゲレロが７回２死一塁から中越えの弾丸ライナーで応えた。だが、松井は「全く気になりません」。５回２死一塁で内角のカットボールに詰まって右飛。豪快なアーチはなくても、３回２死一、二塁から外角低めのカーブを右前に運んだ。二塁走者が本塁で刺され、打点は挙げられなかったが「シーソーゲームで勝ったからよかった」と胸を張った。

　首位攻防の初戦を制し、レ軍に３・５ゲーム差と迫った。貯金は今季最多の９に伸びた。勝負の世界は白星がすべて。岡田ジャパンの奮闘に勇気をもらい、松井は頂点を目指す。

　◆恩師山下総監督絶賛「２人ともブレない」　本田の母校・星稜高野球部で松井を育てた山下智茂総監督（６５）も、教え子の活躍に目を細めた。本田が３年時に政治・経済の授業を担当した名将は、「松井は不言実行で、本田は有言実行。対照的だよね」と比較。２４日に松井の試合を観戦した同総監督は「松井は米国でも全くぶれていなかった。本田もその点は同じ。自分のリズムで戦うことが一流選手の条件」と絶賛。