松井守った！ヤンキース驚かせた２戦連発！

　◆ヤンキース１０―６エンゼルス（２１日・ニューヨーク）　エンゼルス・松井秀喜外野手（３６）が、古巣のヤンキースを相手に今季初の２試合連続アーチを放った。６回無死二塁でバスケスから右翼へ１２号２ランを運んだ。守備では、０８年６月８日のロイヤルズ戦以来、約２年ぶりにヤンキー・スタジアムで左翼手としてプレーを披露。守備機会を求めての移籍が間違っていなかったことを、ニューヨークのファンに証明した。

　ニューヨークの空に、２日続けてアーチをかけた。３点を追う６回無死二塁。松井は先発バスケスの攻略法を、凡退した前の２打席から見つけていた。「直球はシュート回転気味に（内角に）入ってくる」。変化する前に打ちにいくと、仕留め損ねてファウルになってしまうため、変化の軌道を見極めた。「甘く入ってきた」ところを振り抜いた。

　高い角度のついた打球は右翼席へ。松井はヤ軍ファンの拍手を背にベースを一周した。２試合連続本塁打はヤ軍に在籍した昨年９月２１～２２日、敵地でのエンゼルス戦以来で、今季は初めて。ヤンキー・スタジアムでは５戦３発。４月１５日の試合から数えれば、３試合連発だ。ヤ軍のジラルディ監督は松井がホームインした瞬間、後ろを向いて肩を落としていた。

　メジャー８年間、ヤ軍の本拠地で何度もアーチをかけてきた。だが、この日の１２号２ランは特別な意味を含んでいた。新ヤンキー・スタジアムで初めて左翼の守備に就いたからだ。ヤ軍本拠地で左翼を守ったのは、旧球場で行われた０８年６月８日のロイヤルズ戦以来、７７３日ぶり。「（旧球場の左翼は）もう忘れちゃったよ…」と苦笑い。デーゲームのため、太陽の日差しが左翼を直撃した。サングラスをした松井は無難にフライやクッションボールを処理。「難しいボールではなかったから」とフル出場して、５度ボールをさばいた。

　両ひざに不安を抱えていたため、ヤ軍での最終年だった昨季、首脳陣は一度も守備に就かせなかった。守備機会を求めて松井はヤ軍を去った。そしてこの日、古巣の首脳陣の前で打ち、守り、“外野手・松井秀喜”を見せつけた。　

　かつての本拠地で、また健在ぶりをアピールした。それでも、試合に負けていては心からは喜べない。２２日からは５ゲーム差の２位で追いかける地区首位・レンジャーズとの直接対決４連戦。「大事な試合になる。チームの状態は決して悪くない」とナインの思いを代弁した。復調の兆しを見せる松井の言葉は、エ軍の逆襲を予感させた。