松井“口撃”の仕返し弾！「知らない」発言Ｔ・ハンターから１３号

　◆レンジャーズ６─４エンゼルス（２５日・アーリントン）　エンゼルス・松井秀喜外野手（３６）が“因縁”の相手から一発を放った。レンジャーズ戦の５点を追う７回１死一塁で右翼ポール際に１３号２ラン。レ軍先発のＴ・ハンターには昨年８月に「俺はアイツ（松井）を知らない」と“口撃”されていた。チームは抑えられたが、バットでやり返した。

　失投を嘆く右腕を横目に、悠然とダイヤモンドを一周した。「普通に甘い球を待っていただけでした」と９０マイル（１４５キロ）のカットボールを低い弾道で右翼席へ運んだ。この１球でハンターを降板へ追いやった。

　昨年８月２６日、ヤンキー・スタジアム。松井の打撃練習中だった。ハンターは「あの日本人は誰だ？」と発言した。自分を知らない選手の出現に、松井は「おもしろいじゃないの。ふふふ」と不敵な笑みを漏らしていた。１年が経過し、迎えた初対戦の３打席目。名刺代わりの一発を放ってみせた。

　試合後、ハンターは「昨年は『知らない』と言ったけど、Ｗシリーズも見て彼はすごい打者だったとわかった」と脱帽。２４歳の若者に松井は「非常に安定感のあるいい投手」と今季１０戦８勝と急成長の右腕をたたえることを忘れなかった。

　後半戦初マルチ安打に「状態は上がっている」。最近出場５試合で３本塁打。２８発放った昨年の今ごろは１５本。本塁打は昨季のペースに近づいている。首位レ軍との直接対決は１勝３敗。７ゲーム差と開いたが、松井の復調が希望の光だ。