松井２戦連続１４号！熱いぜ夏男！６戦４発！

　◆エンゼルス３―６レッドソックス（２６日・アナハイム）　エンゼルス・松井秀喜外野手（３６）がレッドソックス戦で２試合連続となる１４号２ランを放った。最近出場６試合で４本塁打、今季最長の６試合連続安打と“夏男”ぶりを発揮。しかし、松井の追撃弾も及ばず、チームは拙攻と継投ミスで敗戦。アスレチックスに抜かれ、エ軍はゲーム差なしの３位転落。地区優勝が遠のいた。

　残った手応えが本塁打と告げていた。松井は３点を追う８回２死一塁。昨年まで阪神に在籍していたレ軍・アッチソンの内角のカットボールをとらえ、右中間席へ運んだ。ボールは一度、スタンドに入り、ファンの手に当たってグラウンドへ戻った。そのためビデオ判定となったが「（打った瞬間）入ると思いました。（判定は）変わらないと思った」とベンチで動じることはなかった。

　レ軍バッテリーからは執ような外角攻めにあった。全２２球中１６球が外角球。第２打席までは１２球中１１球だった。しかし、今の松井にひっかけてゴロを打つ姿はない。ストライクとボールを見極め、際どいコースはファウルするという好調時のスタイル。１４号２ランの状況はファウルを挟み、カウント２―３。アッチソンの７球目は甘いコースに入っていった。追い込まれていたのはバッテリーの方だった。松井の粘りと選球眼が失投を導いた。

　２試合連続本塁打は今月２度目。出場６試合で４発。連続試合安打も今季最長の６。明るい数字が並ぶが、松井の顔はさえない。本塁打を放った後半戦４試合は３連敗中（１勝）と空砲が続く。試合は松井の本塁打で１点差までに追い上げたが、敗戦。首位・レンジャーズとの差を縮めるどころかゲーム差なしで３位に転落してしまった。

　逆転Ｖの使者として獲得した先発右腕・ハーレンが右手に打球を受け、負傷降板。打線は２回、無死満塁の絶好機で無得点。９回、エ軍・ソーシア監督は１点もやれない場面でメジャー初登板のコーンを送り、２失点と継投ミスで試合が決まった。レ軍戦はこれで０勝５敗。負の連鎖が止まらない。松井は「１試合ずつやっていくだけです」。私服に着替え、帰路につく時の顔はベンチの中と同様、険しいままだった。