松井、激走！３点差逆転呼んだ

３回無死一塁、四球で出塁した松井秀は、アイバーの右前安打で三塁へ滑り込む（共同）

　◆ツインズ３―９エンゼルス（２１日・ミネアポリス）　エンゼルス・松井秀喜外野手（３６）が、ツインズ戦で左ひざの不安を吹き飛ばす激走を見せた。

　両手を腰に回し「どうだ！」と言わんばかりに胸を張った。６回の第４打席。中堅深くに大飛球を放つと、強い日差しの中、懸命に追ったツ軍の中堅スパンが落球。松井は一気に三塁まで駆け込むと、珍しく仁王立ちした。今季初の三塁打と思われたが、記録は失策だった。

　松井は「トリー（ハンター）にアピールしてたんだけど、悲しくなっちゃった。もし太陽にボールが入ってたら、同じ外野手としてかなり厳しいプレー」と際どい判定にがっかり。エ軍広報部の記録員への抗議も実らなかったが、チームのムードは最高潮に達した。

　「ひざの怖さはほとんどない」と足をフル稼働させた。３点先行された直後の２回。先頭で今季最長タイの出場６試合連続安打を中前に運び、次打者とのエンドランで迷わず三塁へ。この回一挙４点の逆転劇を呼び込んだ。３回には一塁走者でフルカウントから３度スタートし、右前打で三塁に滑り込んだ。「（ベンチで）みんなが速いと言うから、知ってるよ、と言っておきました」

　機動力を駆使してエ軍黄金期を築いたソーシア監督も「松井の走塁は見事」と絶賛。「自分たちの野球をやっていればチャンスが出てくる。今日みたいな野球が、僕が今まで対戦してきたエンゼルスの野球のような気がする」。打つだけじゃない。まだ遠くかすむ頂上まで、猛ダッシュで突き進む。