松井秀、日米４５０号！５年ぶりの連発

　◆レンジャーズ０―８ヤンキース（２７日・アーリントン）　ヤンキースの松井秀喜外野手（３４）がレンジャーズ戦の６回に６号ソロを放ち、日米通算４５０本塁打（日本３３２、米国１１８）を達成。続く７回にも５年ぶり２度目の２打席連続となる７号２ランを記録し、ヤ軍を今季初の首位タイに導いた。

　インパクトの瞬間に松井は確信した。全力疾走の必要はない。６―０の７回無死二塁。レ軍右腕のマドリガルが６球続けてきた力のある直球を、右翼席へ運んだ。「数日前まで状態は良くなかったが、調整を重ねて良くなった」２打席連続アーチ。７号２ランの喜びをかみしめるように、時間をかけ、悠然とダイヤモンドを回った。表情にすごみと自信が戻っていた。

　日米通算４５０号となった１本目の６号ソロは３点リードの６回だ。レ軍の左腕・ホランドの初球。ストレートを迷いなく振り抜き、右翼席中段まで飛ばした。Ｒソックスのレスターら相手先発がサウスポーのときに先発を外れることが多い今季。それでも、計７本塁打中、左投手から３本マークしている。ジラルディ監督は「左腕に手も足も出ないことがあったが、この２試合はいい。素晴らしい仕事だ」と称賛。指揮官を見返した。

　５月の打率は１割台と不振に苦しんでいた。スランプと向き合い、復活の道を探った。「昨日、一昨日くらいに練習の中で徐々に変わった」ロング打撃コーチと体のバランスについて話し合い、ボールを十分に呼び込むことに重点を置いた。小さな感覚の変化がいい状態を生み、０７年７月３１日のＷソックス戦以来のメジャー３度目の１試合２発をマークした。

　主役の座を射止めた松井に“ご褒美”が待っていた。今季、選手間でその試合で最も活躍したプレーヤーに渡される“チャンピオンベルト”を初めて手渡された。ボクシングの世界王者のようなベルトに「次の勝利でどこかに行く。“防衛”すれば別だけど」とその重みを味わった。

　チームはＲソックスと並び、昨年の４月１６日以来の首位タイに立った。松井は「ヤンキースは去年負けているし、首位に立つことは大事」と常勝軍団としての誇りをのぞかせた。復調したゴジラが、Ｖロードを突き進む。